愛は愛のままで良いのよ…?
人里離れた森の中で一際高く聳え立つ
聞こえてくる 美声を響かせて
一目見たい、と、塔を見上げる若い男に老婆は告げる
「会うのはおよしなさいな。…ただ、聞くだけにしなさい」
錯覚を見せる幻想 恋は盲目
「恋と愛は違うわ…
それすら理解出来ないなんて…あぁ、
なんて可哀そうなのかしら?」
誰かがポツリと嘆いた
月明り照らす宝石
鏡はいらない 乙女心
…ねぇ、気づいてよ?
痛みと怒り 己と犠牲
裏と表と 破壊と誓い
ママの言う事は絶対 望むのなら何でもやるわ
だから…見捨てないで下さい。
私を迎えに来る王子様は何も知らずに声を掛けてくるの
「…あなたは誰?」 時は来たり
何かが触れてる 私の髪を
「はじめまして…そして、サヨナラ。私の愛した人。」
…何が起きたのか分からなかった。
驚いたまま身体が宙へと投げ出される。
艶めく長い髪を握りしめたまま
彼は地上へと落ちていく…
輝き続ける宝石 今日も足元に広がる
今日も響き渡る 彼女の歌声が
色とりどりの花が塔の足元に広がる
今日も塔の麓には 老婆が一人
愛は愛のままで…
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