【A1】
零れる蒼穹(そら)果てなき地平
蜃気楼に揺れる
目指すは何処　声なき叫び　
砂上の楼閣へ

【B1】
この指で手折った　
咲けない花ひとつ

【S1】
千の夜　迎えて
嘆く
祈りは　彼方に
尽きて

【A2】
消滅願う駱駝色の
微睡み　終わりなく
断罪の声　導かれ
砂上の楼閣へ

【B2】
この腕で　屠った　
咲けない花ひとつ

【S2】
千の朝　昇った
朝陽
旅人を幾度も
責める

【C】
足が縺れても
砂に血潮　滲むは
道理　旅人の
道は　幾度も続く

砂の花が
願う限り　ああ

【S3】
蜃気楼　幻
追って
罪人は一人
進む

【S4】
終わることのない
旅路
悔いても届かぬ

懺悔　贖罪
砂上の楼閣に


ひらがな

【A1】
こぼれるそら　はてなきちへい
しんきろうにゆれる
めざすはどこ　こえなきさけび　
さじょうのろうかくへ

【B1】
このゆびでたおった　
さけないはなひとつ

【S1】
せんのよ　むかえて
なげく
いのりは　かなたに
つきて

【A2】
しょうめつねがうらくだいろの
まどろみ　おわりなく
だんざいのこえ　みちびかれ
さじょうのろうかくへ

【B2】
このうでで　ほふった　
さけないはなひとつ

【S2】
せんのちょう　のぼった
あさひ
たびびとをいくど
せめる

【C】
あしがもつれても
すなにちしお　にじむは
どうり　たびびとの
みちは　いくどもつづく

すなのはなが
ねがうかぎり　ああ

【S3】
しんきろう　まぼろし
おって
ざいにんはひとり
すすむ

【S4】
おわることのない
たびじ
くいてもとどかぬ

こうかい　しょくざい
さじょうのろうかくに