ジャケット

「天国論的ニヒリズム」

生活が回りだした
私の呼吸に触らないで
幸福は止まったようだ
歪んだ思想が解らないね

重力に身体を預けた君は、まるで空を泳ぐ魚の様だった。
一瞬の落下、剥がれ落ちた鱗が私の頭上に飛散していく。

私、宙を歩くわ。
浮遊感の様な美しさで!
透明な身体が愛おしくなるのだ。
飛び込んだ視界が霞んだら、赤い花が咲くんだろ。
淡い残像は燃え尽きて溶けたの。
君を愛してるんだよ。


洗脳が解かれたようだ
私の鼓動よ 騒がないで
憂鬱は飽和したもんな
綺麗な理想郷なんて無いね

一人、夢を泳ぐわ。
夢遊感の様な曖昧さで。
真空な世界で狂おしくなるのだ。
ドラマチックな映画の美学さえも泡になってしまえ。
脆い残響を儚く憶えたの。
君が天国になるのだ。


宙空を飛行した君の姿が、私の脳裏で鮮明に再生されている。
虚しさを纏った私の体躯は、追憶と共に優しい熱に包まれていた。
心臓が五月蝿くなってしまう前に、現世から逃避行しなければ。
白昼夢を視る隘路に、感傷的な燃ゆる花が覗く。
私は水滴を置き去りにした。


私、宙を歩くわ。
浮遊感の様な美しさで!
止め処無い涙を赦して欲しいのだ。
ロマンチックを演じてた私、重い瞼を閉ざして。
不可思議な夜に君が居ないのなら、
此処に天国は無いだろ。


春が私を迎えに来る迄、脳に溢れる赤い花を束ねて待っていよう。
厭世観が人を殺す文明の中で、呼吸は瞬く間に億劫になっていった。
思想も、美学も、芸術も、日常も、全部は君だった。
歪んでしまった生活を止めて、花束を抱えて浮遊する。
きっと人類は、天国の夢を視てる。

00:00 / 03:18

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

nihilism_inst(Mastering)

閲覧数:78

投稿日:2023/10/28 12:55:30

長さ:03:18

ファイルサイズ:3.8MB

カテゴリ:カラオケ/インスト

クリップボードにコピーしました