迷子ヶ原

爪先に触れた 影(トモダチ)と遊ぶ
本物は帰る 偽物は残る
なんてことは無い 少しだけの事
それは幼子に 大きく見えること

まだまだ帰らない
夕焼け嫌気さすみたい
でも、まだまだ帰れない
臆病な僕だけ

夕焼け小焼け 僕だけ迷子
溢れた憎悪の そう寄せ集め
それなのに何故か寂しくて
家路を探す 迷子ヶ原

夢の中じゃ 空も飛べるはず
ここじゃ今も 独り泣くばかり
嫌い嫌い、みんな大嫌い
消えろ消えろ、僕だけが

爪先で弾く 大地の子の死骸
そして残された 死ぬだけの雨や
役割を終えた 外面は凹み
皆僕のように 帰る場所がないよ

そろそろ帰りたい
でもカラスはもう居ない
まだまだまだ帰れない
不器用な僕だと

夕焼け小焼け 僕だけ迷子
すり減った爪を噛む道すがら
鳴るサイレンが煩くて
耳を塞いだ 迷子ヶ原

僕ら 創られたの自己満足に
後は埃被るだけの松の葉を
生涯の宝と言うのなら
酷いぞ、酷いぞ... 酷いぞ。

夕焼け小焼け 僕だけ迷子

消えたって誰もお咎めもなく
食卓に今日も華が咲く
それを横目に道草を喰う

夕焼け小焼け 僕だけ迷子
溢れた憎悪の そう寄せ集め
でも一生で一度でいいからさ
産まれて良かったんだと言いたい
消えなくて良いよと言われたい
だけどまだ僕 迷子ヶ原