くすんだ色の鍋で ミルクを温めた
マグカップに注いで 君に渡そう

白い髭をつけた 君が笑うから
僕もつられて 一緒に笑おう
君がまどろんで 転寝を打つから
僕もつられて 一緒に眠ろう
広がった心の その片隅に僕が
浮かんでくれたらどれだけ良かったの
それを願い それに怯えた
僕も確かにここにいるの
僕を刺す蟲 蜂なら許した
赤い黒子をつけるように
久しぶりに 人間を見たよ
優しそうな人だったよ

足を揺らして 駄々をこねるから
僕もつられて わがままを言おう
手を打ち合わせて 踊りだすから
僕もつられて 一緒に踊ろう
陽気な声で 歌を歌うから
僕もつられて いっしょに
マグカップに残した ホットミルクが
冷めないうちに 一緒に笑おう
奪われた涙の その雫に僕が
映り込めんだらどれだけ良かったの
それを祈り それを祓った
僕も確かにここにいるんだ
僕を刺す人 君なら許した
僕の身に毒を塗りたくる手
久しぶりに 人間に会ったよ
とてもいい人だったよ

泣き止まぬ鳥を 籠から逃がして
開け放たれた 新世界
そこに飛び立った 小さな勇者を
君は手で 握りつぶした
赤く染まる手を タオルで拭うから
僕もつられて 汗を拭う
今日は暑い日ね 気だるい朝は
どれだけ逃げても 僕らを殺す
落としたマグカップに 残ってたミルクが
木目に白い斑を描く
飛び散った破片の その先の君が
鼻血を流して笑ってたんだ
僕の挿す人 君は許すかな
絶望が僕に塗りたくる毒
久しぶりに 人間と話しをしたよ
とても優しい人だよ


履き違えた靴の 鈍い痛みが
足の裏で悲鳴を上げる
君が唇を つけたマグカップを
拾い集めてゴミに出したよ
ゴミに出したよ

僕を刺す刃 君なら許した
僕を通り過ぎる青い光
久しぶりに 人間を抱きしめたよ
とても温かかったんだ
僕を刺すホットミルク 宙ぶらりんの手が
誰かを求めて空をかき回した
久しぶりに 人間を愛せたよ
とても優しい人だったよ


くすんだ色の鍋で ミルクを温めた
熊のマグカップ おそろいのマグカップ
白い髭をつけて 笑ってた君を
僕が忘れることはない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

ホットミルク

斎条です。
今回の曲は前作と違い、勢いだけで二時間で書き上げました。
風呂場の鼻歌から始まり、鏡に指でフレーズを書き込み、風呂からあがって紙を持ってきて、フレーズを書き写そうとしたらもう消えているという無念を味わったりしました。
鏡に文字なんか書くもんじゃないっすね。

閲覧数:139

投稿日:2013/07/14 00:40:07

文字数:893文字

カテゴリ:歌詞

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