出会ったのは8月下旬のとある日曜日
やけに浮足立った人の中に
白い首筋
青の朝顔
みつけた
はしゃいで転んだ君に
下駄を拾ったのが僕だっただけ
たったそれだけで花火がさいた
「リンゴ飴が食べたい」と恥かしそうにいう君は
「恋の味がするのです」と
小さく笑った
「君といるからかな」なんて
少しおどけて
祭りも終わりに近づいてもう9時を回った
熱気の冷めた人たちが帰る
長い黒髪
袖の紫
みつけた
二人で食べたかき氷
頬を染めたのはイチゴ味のせい?
たった1秒後花火が上がる
「金魚すくいは嫌いだ」と悲しそうに言う君は
「だって離れちゃうじゃない」と
下を向いて歩く
「ずっと一緒がいい」なんて
遠い目をして
繰り返すあい色の夏に
取りつかれた僕はまだ
××××××××××
人をかき分け探した
君と同じ朝顔は君じゃない
たった今上がった花火が散った
「リンゴ飴食べたい」と誰かが言った気がした
「甘いわけがないだろう」と
一口でやめた
もう一度探し出すから
少し待ってて
馬車はないけれど
はだしのままで
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想