サクラへ
明日は見えていますか?
笑顔は見えていますか?
今から遠い日へ 問いかけよう
そしたらね
来年また逢おう

身動きがとれない
真っ暗な世界
ただ待つだけしかできない
何て惨めで愚かな自分なんだ
何も出来やしない
上を向くことすら・・・

でも落ち着いている
そんな自分が嫌い
この根で抜け殻になるくらいなら いっそ戯れてみようか

包むように根が邪魔をする
おかげで上を向かせやしない

小さな勇気があるならば
隠れた力があるならば 何があろうともがいてあがいて

根を伝って土を弾く 草を弾く 小石を弾く 怪我も弾く
何があろうとひたすら上へ

木を伝って
カゼに吹き飛ばされないように
足を踏み外しても
力強く確実な一歩を あの空へ向かって

恐い とても恐い
振り向いたら 二度と上を向けない

心のささえはその一歩
胸の奥から勇気が湧き出る

果てるとはこのことだ
疲れ立ち止まってしまった
翼もないまま 次の一歩は空なのか

・・・もう何度同じ時間を過ごしたことだろう
この木も眠りについている
思えば邪魔ばかりするし憎たらしい
鼓動を感じる

・・・足かせ、カゼの壁となってくれたけど

涙が出た 止まらなかった
鼓動を伝って優しさを感じる
生まれた時にさかのぼって

緑で生い茂った美しい木だ
私を伝われと言わんばかりに

気がつけば上を向いていた
殻を破るってのはこういう時だ
そうだ簡単なことだったんだ
下がらなきゃそれでいい

まだ夜明け前 ウサギが月へ向かって跳ねている
ボクも翼とともに空の世界へ

サクラ「久しぶりだな33世。サクラだよ。」
33世「ハハッ。」

まさかそんな一言目がくるとは思わなかった
ずっと一緒にいてくれたんだ
伝えたいことは沢山あった
でも今はこの喜びを抑えられない
ボクは歌う 夜になっても次の日になっても
嬉しくて嬉しくて

ありがとうを キミに伝われ
ごめんねを キミに伝われ

キミは夜も起きていたね
鼓動を感じてたんだ
温かいやつ

寂しげな視線を背に「来年また会おう」
キミが勇気をくれた証でもあり宿命でもある

出逢ったのがキミじゃなかったら
脱け殻はボクだった

34世へ
一番温かい安全な場所
サクラのもとへ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夜鳴き蝉の衣

詩というか物語になってきているのはわかっているのですが。
次からちゃんとしたものを。。。

次から♪ 次から♪

閲覧数:124

投稿日:2013/07/26 07:41:24

文字数:943文字

カテゴリ:その他

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