笑い声が聞こえる 交差点の端で
待ちぼうけをくらった 足は震えだす
「後5分で着くから」 そういう君の声が
とてもとても頼りなく 思えたの
『もしかして私が場所を間違えたのかな?』
ふと頭かすめる 不安は拭えなくて
早くここへおいでよ 誰も見ない交差点
存在さえも希薄に 薄く薄く消えてく
転んだ子が泣いてる 交差点の端で
ふとバックを見てみると 水とハンカチがあった
「大丈夫だからね」 そういう私の声が
とてもとてもしっかりと 転んだ子に届いた
『私はここにいるし、誰かの役にも立てる』
こんな簡単なことさえ 何だか嬉しかった
もう少し待ってあげる 私が見てる交差点
人の通る影さえ 濃く濃く染みてく
「待たせちゃってごめんね」 そういう君の顔には
真珠のように大きな 玉の汗が滴る
「遅いぞ! 罰ゲームね」 そういう私の顔には
安堵と呆れた様子が 二つひとつに浮かんでた
さてそろそろ行こうか 人の行き交う交差点
転んだ子が向こうで 大きく手を振ってた
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