夕闇の向こう
【夕闇の向こう】
なぜか引き寄せられ 導かれるように
列に並び ひとり電車に乗る
乗客は無口で 外の景色も見ず
電車は淡々と駅を過ぎる
やがて減速して そこが終点
知らない駅の前 一人たたずむ
夕焼けの町並み オレンジの空
どこか懐かしく 優しい
ああ 光に包まれて
穏やかな温もりを感じる
音が消えた世界
遠く去った思い出
迫り来る暗闇
最後に見る景色
路地裏を抜ければ 川辺につきあたり
そこの少し先に 橋がかかる
渡れば戻れない なぜかそうと分かる
行くか引き返すか 迷うが...
ああ 自分が誰なのか
もう何処から来たかも分からない
音が消えた世界
遠く去った思い出
迫り来る暗闇
最後に見る景色
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