繋いだ手から少しずつ
溶けてしまえたらいいのに
気が付くと消えてしまうなんて
そんなのはやめてよ
部活が終わって
今日もふたりきりで帰る
街灯が長い影を作り
少し距離を目立たせた
先のバス停までの
ふたりの帰り道を
こっそり君をのぞき見しながら
デートコースだなって思うの
雨が降ったら君の傘に入って
いつもより近くで君を見つめて
そっと手を絡め少し強く握る
これ以上離れてかないように
繋いだ手から少しずつ
溶けてしまえたらいいのに
気が付くと消えてしまうなんて
そんなのはやめてよ
息が白くなって
冷たい風が頬をなでる
長い髪も悪くないかなって
季節限定で思うの
氷みたいに冷たい私の手を
暖かい君の手が包むの
そういえば一年前からこうして
君の体温を貰っていたんだね
絡めた指から少しずつ
気持ちが伝わればいいのに
体温みたいに上手くいかないね
難しいね、もどかしいよ
雨が降ったら君は傘を傾けて
私を濡らさず肩を濡らした
寒いのに冷えた私を暖めるなんて
馬鹿みたいね、すごく愛しくなる
繋いだ手から少しずつ
溶けてしまえたらいいのに
そうしたら離れることなんて
きっとなくなるのに
絡めた指から少しずつ
気持ちが伝わればいいのに
こんなに愛しいと思う気持ちは
言葉だけじゃ足りないから
言葉だけじゃ足りないから
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