伝えるべきたった一言が
喉に閊えて言えない
代わりに出てくるのは
醜い涙だけ
嘘しか言ってこなかった僕に
君に言葉を贈る資格なんてない
嘘しか言わない僕を
今更誰が信じる？
嘘しか知らない僕は
誰も信じられないから
数えきれないほど零れた言葉が
今は口から出てきてくれない
冗談や嘘でなら言えるのに
苦しいな
君の頬を伝う涙を
拭うこともできないのに
君の涙を止める言葉も
僕にはまだ 言えないの
ごめんね 君は泣キ虫だ
苦しむ君に
かける言葉が見つからなくて
僕の口からは何も零れない
君のいない世界に
光を見つけられなくて
暗闇になった世界に
零れるのは涙だけ
嗚呼 僕も泣キ虫になったみたい
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