「タキオン -tachyon-」解説
タキオン・・・今はその存在が確認されていない架空の素粒子で、質量は虚数、光より遅くなれないという、質量をもつ粒子ブラディオン(ターディオン)とは全く逆の性質を持っている。この存在が認められると、アインシュタインの相対性理論を覆す大きな発見となる。2011年に光より早い粒子が発見されたと話題になった(のちに実験主義の不備による間違いだと判明)。
●これに関係ある箇所
「光速をも超えるヒカリ」「速度を緩めることもできなくなっていた」「止まりたくても止まれない」・・・タキオンが光速以下には速度が落ちないこと。
「何もかもが裏目に出て進むよ」「思いも法則もすべて投げ捨てて」「虚ろなココロが重みを失い」「ゼロを通り越し胸の内は真空」・・・ブラディオン(質量のある粒子)に通じる既存の物理法則に反し、虚数の質量と光速の凌駕、エネルギーの喪失による加速などというまったく反対の性質を持っていること。
●そのほかのワード
三つの宇宙速度・・・第一、第二、第三宇宙速度のこと。それぞれ「衛星が地球上に落下せずに飛び続けられる」、「地球の重力を脱出できる」、「太陽系を脱出(太陽の重力を振り切る)」ができる最低速度。
お守りのクマ、臍帯、ビーコン、ブレスト・・・「launching to loneliness」の解説で記述。
お守りのクマはガガーリンが無重力状態に突入したことを目視で確認できるようにぶら下げた人形のこと。臍帯(アンビュリカル)ははやぶさとカプセルをつないでいたケーブル。ビーコンはカプセルが落下したときに発せられた信号。ブレストは通信用のヘッドセットのこと。
トラペジウム・・・生まれたばかりの原始的な星。
青いアンドロメダ・・・アンドロメダ銀河のことで、青いというのは光の波長の関係により、光速で近づく時には青く見えることから。
「宇宙の重力が引きあう孤独の力」・・・谷川俊太郎の詩『二十億光年の孤独』から。
ヒカリと光・・・・ここではあえて使い分けた。「ヒカリ」は異質な輝きであるタキオンのことで、「光」は地球にある私たちが普段感じている普通の光のことを指す。
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