遠い木漏れ日の下でミツバチが群れを成していた
脆い歯車は軋む音を鳴らしながら
硝煙のような緩い曲線を描いてく
悴んだ指で薄い口紅を挿して
抱きしめた温もりは痛む十字架に
吐息だけ燻らせてこの喉を締め付けてく
錆びた鎖で君の全てを縛り付けてしまえれば良いね
もう二度と飛び立てないようにその翼だけを引き裂いて
夕暮れに染まる街角君の香りだけを閉じ込めた
赤いトゥシューズを履きながら君は濡れた髪を掻き乱して
笑っていたんだ何処へも行けずに
罅割れた森の奥で道化師が笑みを見せていた
黒い銃口を果物売りに突きつけて
一際と高い声で賛美歌を奏でてた
揺れ動く色はとても綺麗だと思う
バルトーク・ピッツィカート沈むキャンドルは
泥沼にキラキラと音も無く崩れていく
シャム猫の白い牙を抜き取り君の瞼の裏へ突き刺す
暗闇に脅えないようにとその瞳だけ抉り出して
細切れに刻む天使は君の姿に似て素敵だね
細いリボンを君の両手に巻きつけて二度と離さない
夕暮れに染まる街角君の香りだけを閉じ込めた
赤いトゥシューズを履きながら君は濡れた髪を掻き乱して
笑っていたんだ何処へも行けずに
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