何かを探して歩いている
何か知らないのに 何か知っていて
それを探して歩いている
気付くと全く知らない場所にいた
白のような 薄紫のような
淡い世界を歩いていた
…何処からか声がする
中性的な声音 柔らかで優しい声音
知らないはずなのに知っている
ふと傍らに視線を向けると
真っ白な猫が横を歩いていた
声の主がこの猫だとすぐに悟った
『今は見つけられない
でも、悲しまないで』
猫は柔らかに言葉を紡いだ
『近い未来にきっと、
祈りが空に届いたら
見つけられる
金の光が降る場所
黒真珠の瞳の奥
…そこで見つかる』
「何が見つけられるかはわからないけど
なんだか安心した」
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