方目を無くした黒猫が泣く

愛しい恋しい寂しいと

泣いて鳴いてナイテ

赤い涙を流しながら

世闇をさ迷い歩く





人を惑わす光を漂わせ

黄色い月が不気味に笑う

声を出すわけでもなく






ただただ



笑う。






赤く染まった白猫が

月夜の下で横たわる

泣いて鳴いてナイテ

鳴き疲れた白猫は

永久の眠りにつきました








赤く染まった小さな体




紅く染まった真っ白な毛並み






人を惑わす光を漂わせ

黄色い月が不気味に笑う

声を出さずに笑う






そんな月夜の下で


二匹は出会う



方目を無くした黒猫

息絶えた

紅く染まった白猫


黒猫が泣く鳴くナク





ようやく出会えた


ようやく出会えた





僕らは二匹で一匹






不気味に笑う月夜の下で




紅く染まった白猫の側には




赤黒く染まった





方目の色が違う黒猫が




方目がなくなった



紅く染まった白猫の側で




嬉しそうに嬉しそうに




一人で二人で




鳴いていた。



笑っていた