夕間暮れ 移る 橙黄
追う影法師 乱れる息
靡いて消えた

旋風 捨て往く さよならと君
褪せてしまわないでと吐いた


重たく流れ落ちるみたいだから
何時何時までも届かないでいる

痛いのに笑ったふりなんかして
独りの夕 立ち尽くした



夜靄 揺蕩う雪洞 不知火と同じようで
眺めただけの 千々に溶ける季の際に
拐かされて逃げれなくなるのだ
篝揺れる風景の中
ぼやけたままでいる



祭り囃子が遠く 朱色に浮かぶ
音は単調に響くだけ

山陰を撫でる 朧な月灯
敷き詰めた藍色天鵝絨


鈴虫の歌 まばら爆ぜる色玉
僕の声をかき消していく

冷たくて隠れた 生傷だらけ
泡沫の夜 咽び泣く



夜汽車 ふやけた乗車券
もう使えなくて
朝焼けの斜陽 啄まれる群青
何もできない いつもの夕に縋り
失くしたものも思い出せないままで



俯きながら 帰るはずの
道を走る あべこべに

さよならと君 捨て往った
逢魔が時に向かって



煩く吠える鼓動さえ無視して
這って 触れて 探した
夕闇旧線路沿い
明日になれば戻って来てくれるよと
淡い絶望持った



白昼夢のようだったと
振り向いた泣き顔
嗄れる声が深く心臓抉る
いつか笑っていた日に戻れるのなら
底が見えないほどの現像液に飛び込んで
「またいつか」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • オリジナルライセンス

逢魔時エレジー

閲覧数:289

投稿日:2015/09/14 21:06:48

文字数:558文字

カテゴリ:歌詞

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