ナナの事情Sweet
「ねぇはやくあなたの体を私によこしなさい」
あれは数日前のこと
私がその生命を終わらせようとした
その時
ふいに君が現れて
高らかに言い放つ
「ねぇその体がいらないのなら
私によこしなさい
悪いようにはしないから 」
「私の本当の体はもう ないけれど
あなたの体で生き返られるの」
そんな無邪気な笑顔で訴えられると
あげてもいいかななんて思ったりして
「あなたに取り憑いて待たせてもらうから」
「もしその体を手に入れたら
やりたいことがたくさんあるの
料理に映画にスポーツ
素敵な恋もしてみたいわ」
「だから今のうちから自分磨きを
しておいてちょうだいね
私に苦労させないで」
本当はねこの体なんて
惜しくはないから
今すぐあげてもいいけれど
君といる時間がちょっぴり楽しすぎるから
ずっとこのままでいられないかなあ
君は突然私の前から姿を消した
君にちゃんと言わなくちゃいけない事があったのに
ねぇあなたと過ごした時間の中で
もう少しだけ生きてみたくなったの
もしももう一度あなたに会えるなら
しわくちゃで素敵な私を見せてあげる
「だから君の分まで生きてもいいですか 」
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