「今は昔、竹取の翁というものありけり」


巡る年月の中
偶然か必然か
貴方は私を見つけました

人間と違うところ
私には沢山ある
それでも優しくしてくれた

嗚呼 どうか
幸せになってください
私を見つけてくれた
せめてものお礼に
煌く金の山を

わかっていました
私は人世(ここ)では
生きていけないこと
貴方がたの優しさを
受け取ることさえ罪になる

嗚呼 嗚呼
月から隠していて……


巡る昼夜の中
ただただひたすらに
貴方がたは私を見ようと

不自然な美しさ
私にだけなぜあるの?
気づいて 貴方がたには毒

嗚呼 どうか
私から目をそらして
人間でない私
人世に生まれたなら
普通の恋をさせて

仏の御石の鉢
蓬莱(ほうらい)の玉の枝
火鼠の裘(かわごろも)
龍の首の珠
燕の産んだ子安貝

嗚呼 嗚呼
嫌いではないの……


巡る月日の中
私の毒はついに
帝の心さえ動かした

私のこの姿
その眼前で消え失せて
貴方は気づいたようですね

嗚呼 どうか
その筆を止めてください
違うと気づいている
なのに諦めない
普通の恋はできない

月に呼ばれている
なぜ 私が生まれた
人の世はこんなにも
美しく儚いのですか?

嗚呼 嗚呼
涙が止まらない……


勇ましい軍勢
けれど意味はなく
私は帰ります
私を忘れて
人の幸せを感じて

嗚呼 嗚呼
涙が止まらない……

嗚呼 嗚呼
人として生きたかった……


「今は昔」

「カグヤハ血ノ涙ヲ流シテ悲シンダ」



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

竹取吟詠 ―月華ノ哀姫―

かぐや姫を参考にしました。

どなたか心の広いお方、曲をつけてくださいませんか?

閲覧数:58

投稿日:2009/12/10 08:03:44

文字数:642文字

カテゴリ:歌詞

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