社会人役者

どこかで赤子が泣いた
やけに大きく耳を劈く
歩いてふと思い出す
そうだあの声
遠い昔の自分だ
「振り返って・・・」

いつしか約束していた
出会う話は
いつか消えていた
必ず会いに行くよと
そんな記憶を捏造していた

どんなに言葉を並べても
この想いは届かない
本当のところは違うのさ
考えてることすら喋れない

また、とおせんぼ
更に、とおせんぼ
知らず知らずのうちに脳震盪
眩暈も治まらぬまま
今は止まんない
降ろしてくれよ
誰だって気付かれずに
抗っているんだ
そんなの虚しいだけじゃないか
ってんだ・・・

誰かが名前を呼んだ
知らない人だ
どんな奴だろう
舞台に現れたのは
とても似ている
僕の顔だった

曖昧な返答をばら撒いて
聖人たちの癒しを壊した
そんなこともわからない間抜けは
正しい人からずれている

どんなに心を隠しても
表情に出ては意味がない
衝突を避けようとして
また大惨事を繰り返すだけ

また、大炎上
更に、大炎上
いい加減にしろよ、と御説教
冷や汗は止まらぬまま
次の公演は取り消せない
誰にも勝てないのに
闘っているんだ
そんなのつまらないだけじゃないか
ってんだ・・・

また、とおせんぼ
更に、とおせんぼ
知らず知らずのうちに脳震盪
眩暈は酷く辛くて
今に吐きそう
止まってくれよ
誰だってやり直したいことだらけ
そんなの虚しいだけじゃないか
ってんだ・・・
それでもまだ辞めちゃいけないんだって・・・