美しい彫刻に
誰もが見とれた
長い歳月と 幾度の挫折の
汚れたような 輝きに
それはそれは
決して眩くなく
戦場に広がる廃墟の様
だけどだけど
想いを込めた
あの煙に乗って届け
寂れた街角の
愛を創るアトリエ
見知らぬ君に
沈んだ裏路地の
薄暗い想いはまだ 此処に有るままで
神々しい仏壇に
誰もが目を惹かれた
長い人生の 全てを掛けた
砂と埃の 鈍い輝きに
時は過ぎゆく
君が消えていって
僕の心は穴だらけになって
せめて君に
香華を手向(たむ)けようと
工具を握って
淋しい街角の
愛を願うアトリエ
独りの君に
君の最期の寝床
仏壇に飾るよあの 彫刻と共に
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