とまと

　切ないラブソング
　共感できるのは
　最後の一行だけ
　短い僕らの恋愛ごっこ
「Are you kidding？
　Don't go away.」

　君を見つけた
　もしあの日に戻れたら
　格好悪いこんな僕も...

　恋をしてる暇はない
　闘って食って寝るだけ
　溜め息吐きすぎて
　その分吸うのは劣等感

　青い君の世界に
　僕が映ることはない
　地図通りの進行方向
　手を取れたら...

　冷たい雨　
　電線に落ちた
　人差し指　
　痺れて軋んだ
　長い間この窓辺で
　君追いかけた蜃気楼

　歪んだ街の横で眠った
　スカートの先
　窓が引っ張って...

　明日が来たら
　この街にさよなら
　君に言えない
　気づいたら明日
　「明日引っ越すの」
　伝える事はそれだけ？
　「君が好きだよ」
　そういうのじゃなくて
　忘れないでいて
　ただそれだけ...

　 フォークとナイフ構えながら
　 持て余した足でタップダンス
　 空の皿の上に置かれた
　 砂糖まみれの愛を貪る
　 後味の悪いキスを
　 引き寄せた髪に落とす
　 黒ずくめに寄り添う
　 餌が今日もまた１人
　「君が居てくれたなら　世界だって敵に回すよ」
　 心の中で出した舌を　君の中で絡めて...

　乱暴に脱ぎ捨てた　赤のロングコート
　空に浮かぶ朧月　シャッターを切る
　したくもないピアス　　　　　　　　　　　
　気づいたら　もう２年も経っていた
　たくさん持ち帰った仕事
　手をつけず　明日行きの鞄
　ストレスためて
　たまった　机の上の涙
　君からの手紙
　ずっと前から　もう届かなくて...

　背高のっぽの影を踏みながら歩く帰り道
　かくれんぼ　早く見つけてほしくて
　大きな声で「もういいよ」
　全部忘れていくのかな
　髪も背も伸びて　影を追い越して
　いつかは君のことも忘れるよ　
　忘れたくないよ
　大切なものに気づいたよ
　ありがとう　ごめんね　ありがとう
　後ろを振り返ったら　また...