タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(2)
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それから私は、日を置かず伊鈴の元を訪れるようになった。
始めは意志を伝えるのさえ苦難だったのも、時を重ねる内に互いの感情を読み取る術を身に付けた。
今の彼女は、初めて会った時とは比べ物にならない位に明るい。私が見ていないとどこかに行ってしまいそうな程元気が有り余っていた。
塾の営みの間に、伊...ことりの泡夢 弐 (楽鈴)
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祭の音色は既に遠く
凍てつく寒風に身を震わせて
儚いこえで 私の名を呼ぶ
そこで見たのは、緋の色に鮮やかな金の――
『ことりの泡夢』
飛脚が来たのは三日前の朝だった。
父の元を離れたのが十五の時。身を移したのは母親の故郷・京の都。今はここで母と二人、小さな塾を営んでいる。
江...ことりの泡夢 壱 (楽鈴)