創作文芸同人誌を作成することに夢中な日々です。 とりいそぎ、昔の本に掲載した掌編とイラストを投稿してみました。 どなたかとコラボ出来れば素敵だな、と思いつつ。
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見えないけれどあるんだよ
そう、君が囁いたあの夏の夜
私は君の腕に抱かれて安心しきっていたというのに
私の部屋はひどく狭くて
窓から見える景色も本当にちっぽけで
その中心の私はあまりにもささやかで
君が見ている何か大きなものに嫉妬したあの夜
あぶく、よ
小さきものよ
この世界に広がる聞こえない歌よ...知りえぬものたちへ
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知っていますか、今は何でもフラットな時代なんですよ
私の感情も前はあんなに上がり下がりしていたのに
朝昼晩の食事の後に錠剤を飲んで
寝る前にもう一度錠剤を飲んで
ずいぶん平らになりました
君もフラットなものが好きみたい
感情的なのは苦手でしょう?
何があっても逆上しないコンピュータのディスプレイ
無...フラット
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赤いライト灯した最終バスで君の町に着く
バスのステップを降りると心配顔の君が待っている
暗い道が心配だから迎えに来たと君は言う
君が一人で暗い道を歩いてくる方が心配だなと私は思うけれど
ありがとうと言って君と手をつなぐ
君の家までの暗い夜道を月に照らされながら歩く
感情は環状線なんだ
激情の理由なき...バス
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駅で。