結季

まんまるいおつきさま
その日かぎりのおつきさま
東の空からやってきて
西の空へかえっちゃう
夜だけのヒミツのかえりみち
朝は西の空でボクらをながめて
夜にはまた東の空から
まんまるよりちょっと欠けたおつきさま
やってくる
南の空にやってきたおつきさまは...

「君　の　声　が　聞　こ　え　た」
A
鮮やかに彩る世界　眼に映る
記憶の小箱開けて　溢れる涙
やわらかな春の光　君はほほえんで
時の照らすこの道をゆっくり進む
B
その花を摘む指に　咲いた赤い雫
地に消えるその様を自分と重ねた
S...

A
巡り巡る時の狭間に　堕ちていったキミの欠片
「二度と戻ることはできないのだ」と黒い影は嗤った
B
降り立った小さな背中震えて
森の叫びと共鳴する
「なぜキミは泣いてるの？」
問いかけたボクにキミは言ったよね
「寂しいから」
C...

S
夢を奏でる夜よ
堕ちる乙女（ほし）の心（かけら）拾い集め
何処へ奉らん
東風の在り処（つき）
A
華やぐ夜の　真ん中朧月
耐える耳元の子守唄　抜け出した酒宴
仄かな回廊の　揺れる燈籠
密かざわめく胸の奥　踏みしめてく雪野（みち）...