灰咲雨音

星(きみ)の声と眠りつく夜
攫っていく実体のない慈愛
怯えた朝が来るのが怖くて
死にたがるこののろい身体隠していた
くゆった猜疑心
立ち込めては腐った根燻出す
崩れていく
暗闇の中
遠ざかる星の輝き
影の軋む僕らを照らした...

自愛ガ飼イ慣ラス　囲ワレタ　ノケモノ
見ユルハ夢ナレド　自我映ス　ケモノ
闇世ニ照ラサレテ 孤独咲ク野遊ビ
飲マレタ陰ナレバ　野晒シガ似合ウ
嗚呼　君ハ泣イタノデショウ
嗚呼　君ガ居タナラバ
嗚呼　君ガ傷ツイタデショウ
嗚呼　君ガ居タカラデショウ
痛ミ抱キシメテ　歩ケドモ
君ガイルナラバ　寂シクナイ...

思えば、越えた時。
迷う僕の方位磁石、
ぐるぐる回り続け　　
理性をさす北極星
光明に見失って。
漣、
いつしかうねって。
取り返しのつかぬ
罪業の波。
人は皆、奪って生きている。...

赦されない異質な存在
赦されたい歪な贖罪
私ここにいてはいけないと
知っていたはずなのに
追い求めてしまったあなたを
止まらない動物的本能
赦されない過去と現実と
くるくる回る秒針
無意識の底沈む
この正解の無い世界...

精神混迷の蛆が吹き出す、腐り落ちるわたくしの身体
抱擁のうちに埋葬して、見えなくして、見えなくして、見えなくして
一回目の月曜日　寂しい
一回目の火曜日　寂しい
一回目の水曜日　寂しい
一回目の木曜日　蹌踉めく思考
一回目の金曜日　寂しい
一回目の土曜日　寂しい
二回目の日曜日　未完中絶の楽想
二回...

ゆらり揺られながら暗い腐海泳ぎながら
巻き戻せもしない 回路
あの頃　私を　悲劇的にさせていた馬鹿な
在り来りで　どうでもいい
小さな　虫けら　みたいなことが最近じゃ
締め付けてきて息苦しいや
ほんとみたいな
ほんとじゃないこと
真実になってく
ゆらり揺られながら 深い不快抱え...

戻れないよ　いつからか
当たり前が偽りだ 恥が絡みつく　
救いのない茶番だから
正しさなど役立つ術無く捨てた
悪魔と約束　舞踏³
あなたは信じる　段々と
私は笑う　嘘を重ね
命の安売り簡単だ
信じる言葉は閑散さ
裏も切り裂く罪はカノン...

漂流感空白感紡いで
固めたこの身体中
蝕む愛が絡み綻ぶ
繋ぎ止めたい指が泳ぐ
見知らぬ呪いが
息の根止めた
哀しい過去
溶けて今赦され
堕ちて行く
息も出来ない速力...