江樅ヶ丘

知ってる？あの噂
怪物を喚べちゃう話
ずっと遠いとこから
町を壊しに来る話
信じてはないけど
ちょっとだけやってみたくて
魔法陣の中
電波を届けてみたんだ
退屈も平穏もぶち壊す
地を震わせる足音が響いた...

桜の咲く季節
今が旅立ちの時
古びた学び舎が
少し寂しく見えた
追い風に乗せられ吹く
七彩の息吹
彩られた記憶を胸に刻んだ
描いた夢も
抱いた傷も
歩みを止める僕の背を...

頭痛の中　硬い床で目を覚ます
閉じ込められた僕らの首を這う黒い輪
画面の向こう　仮面の奥の声が云う
単純なルールと残機がたったふたつのシステム
心の準備なんて出来ていないのに
勝負の幕は開く　次は僕の番？
喰らいつく僕は
盤上で踊ってワンツースリー
震える手で繰る
望まない数字の手札...

モセニケサンタリドッソナロマヌジア
モセニケサンタリドッソナロマヌジア
モセニケサンタリドッソナロマヌジア
モセニケサンタリドッソナロマヌジア
どくんどくんと脈を打つ
分間129の鼓動に乗せて
ぷかぷかたゆたう
方舟の道導は黄/赤/青い光線
残響にしたためた
君は知る由もない呪文唱えて...

眠りたい もう24時
意識をはやく手放したい
何度寝返りを打とうと
秒針の音だけ、響く
時刻見る あぁ…25時
明日のことなんか考えずに
青い鳥が飛び去った
画面眺めてる

深夜の冥い部屋の片隅でもう
すべてが手遅れになってしまい
溢れだした体温が
動かぬ体の息を止めた
何も生まず　何も成さず
階段を踏み外した
何処に行くか　何処に居たか
とうとう知らないまま
静寂に映ったものは
色褪せた理想郷...

きらめく光にふと振り返ってみる
気づけば長い道のりを歩んでいた
木漏れ日の射した穏やかなあの日々を
人々の喧騒を懐かしく想う
降りそそぐ星の宛先はどこ？
きっと願いが届きますように
君が遺した足跡を追って
君が遺した言葉を紡いで
生命を育んだ陽は
夕凪に溶けてゆく...

栞挟まれたページ
物語は後半
懐かしい文体に
見覚えのある名前
この人は誰だっけ
今何してるんだっけ
読み進めてみたけど
頭に入らない
これまで辿った道のりや
数多ある伏線を...