作品一覧
その他
オンガク
空は曇っている。 低く垂れこめた濃淡さまざまな鈍色の雲が幾重にもなり、上空の風に高速で流されている。雲行き怪しいこと、この上ない。今にも一雨降りそうだ。傘など持っていないが。 ――そもそも、どうやってここに来たのか、どうしてここにいるのか。思い出せない。思い出す気にもならない。 目の前で信号...
仄暗い昼