タグ「ＫＡＩＴＯ」のついた投稿作品一覧（12）

静かに落ちる一粒の雪が
肩に落ちてゆっくり溶けていく
アスファルトの上振るい掛けたみたいな
道に描いていく
生きた時間を忘れてしまった身体に
冷たい風が教えてくれる
いつも聞こえるメロディと重ねて歩いた
過去をひとつひとつ思い返して
カカオの匂いを甘さで隠した
苦い記憶を光で溶かすように...

太陽が照らし出した
凍り付く窓際
飾り付けしたもみの木
机の上に飾った
ひらりと落ちる雪を眺めていた
コップをカイロにしながら
少しだけ身体を揺らして歌ってる
名前も知らないクリスマスソングを
キャンドルに灯る火消えないくらいの
下手っぴな鼻歌でさ部屋を包む...

風が吹き抜けたり　
そよぐ音を辿ったり
思い付いたフレーズをただ　
口遊んだ忘れないように
歩いた今までの軌跡を
形にして繋げた拙い言葉で
歌にした　歌にした
春風も　海の漣も
落ちる葉も　雪の降る夜空も
歌にした　自分の言葉で...

もみの木を飾り付け　もうすぐだなと思い耽る
今年も色々あったなあ　かじかむ手をかざす夜の空
大した思い出も　特別なこともないけど
ストーブに灯る火のように　優しい気持ちにさせてくれるんだ
クリスマス前のこの時間が　ずっと続いたらいいななんて
お日様が沈んで　町に色が付き始める
窓から見える景色が　僕...

画面向こうから覗いた　大人ぶったお客様達は
僕らの映画のワンシーン　流し見て忘れていく
必死に生きた映画をあいつらは
"笑い涙あり"で片づけお終い
恋に花咲かせるころ　手が触れただけでもドキドキ
そんな姿を見てこういう　「王道な展開だ」と
こっちは気が気でないのにあいつらは
何故か知ってるふりして冷...

強く照らす太陽と　室外機の回る音
喧騒の似合う空だな　
目が眩むくらい　二色のコントラスト
窓の外から聞こえる鳴き声　
むさ苦しいと蝉が告げる
憂鬱と日差しと
暑苦しさが思い出させてくれる
一度きりだってこと
後ろを見れば　嫌でも気づかされる
並ぶ足跡...

起きて　今何時？
三時　まだ起きたくない
今日は　このままさ
ふとんに　かぶり続けようかな
時間が　過ぎていく
左右に　振れる秒針を
ずっと　見つめて過ごしたい
怠惰な生活
許されざる行動だ
ママはそろそろカンカンだ...

この世は醜く　日差しは山に沈みゆく
弱者に差し出された　蜘蛛の糸は水に溶けて
葦が枯れていく　嗚呼
月が照らす夜　獣道
流され　乱れていく秩序
騙され　生かされてこの世
ただ　呑まれていくだけの僕は
ゆられ月を眺める
塵溜めの中で　朧げに思い耽る
我が人生の意味とは　一輪ほどの価値すら…...