タグ「緋惺」のついた投稿作品一覧(2)
-
見下すは 続く平屋の格子戸の
相も変わらず 閑静なる町屋なりて
にわか雨過ぎて ひたひたの石畳
行き交うは 浅葱 黒出目 あと六鱗(ろくりん)
召かした和金 揺れる袖は鰭(ひれ)
一匹、二匹、と 泳ぎ往く和金は
見飽きた景色 飽きたりし色
ふと変えたるは 一瞬の事で
鮮やかなる 召し物 簪 京の紅
...猩々の君
-
夏は末 名残る暑さの 境内や
見上げし空は青 思ひ浮かぶるは
稲海の中 陽炎のやうなる君の事
もろともに遊びし あの夏を
私のことを 覚えたり?
すぎし日の事を 思ひ出し
ただただ一人 慰むる
夏は半(なか) 干からびるやうな 炎陽(えんよう)や
くぐる鳥居は朱(あか) そこに続くるは...晩夏(仮)