2008年7月にKAITO兄さんをお迎えしたものの…な奴です。 調教などなど、ゆるゆるがんばって行こうかな、と。
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ドアのチャイムの音に、
山羽根がインターフォン越しに聞く。
「はい、どなたですか?」
その声に、男の声が答えた。
『紫苑だ。咲祢は来てるか?』
ドアを開けると、
両手に彼らの私物を詰め込んだ袋を持った
もと上司の姿があった。
「室長…」
奥から咲祢と神委も出てくる。...始まりの音6
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外の騒ぎがおさまって、
紫苑室長がつぶやく。
「…残念だったな。
おまえらの考えてたことは
全部会社に筒抜けなんだよ。」
そして手元にあったマウスを掴んで
口元に持っていく。
「これから作業を始める。
咲祢を入れてくれ。
何にもできん奴だが...始まりの音5
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その日は、突然やってきた。
昼の休憩時間が終わると同時に、
入口から数人の男を従えた
中年の女性がやってきたのだ。
それを紫苑室長が出迎える。
「開発部長直々においで頂けるとは…」
中年の女性は室長に横柄な口調で聞く。
「紫苑くん、早速だけど話にあったプログラムは?」
「そのパソコンに。」
室長が言...始まりの音4
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長い夜を越えて、朝が来た。
その日、咲祢は珍しく
一本早い電車に間に合って、
いつもより早く出社した。
部屋のドアを開けてすぐ、どこからか
可愛らしい歌声が聞こえているのに気付いた。
それが山羽根のパソコンであるのに気付いて、
彼女はすぐにヘッドセットを付け、
モニターをオンにした。
「朝から歌って...始まりの音3
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『Vocaloid』という歌声を得た
『基本プログラム』が、
自ら歌のデータを求める。
歌のデータを<欲しい>という
『それ』に、
神委が
ポータブルプレーヤーの曲を与える。
すると、
『基本プログラム』はそれを解析し
『Vocaloid』の声で歌う。...始まりの音2
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ヒトとプログラムの
重要な違いの一つ。
それは、
自らの《意思》を持つか否か。
ヒトに近いプログラムは、
将来のサイボーグへの応用も含めて
さまざまな企業で
開発が進められてはいたが…
その時はまだ、
自らの《意思》による行動...始まりの音1
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▲深刻なエラーが発生しました▲
▲深刻なエラーが発生しました▲
▲深刻な…
…プツン。
男は、大きく息をついた。
モニターの光が消えた古いパソコンの前で。
椅子にもたれかかり、長い事そのまま座っていた。
>………スタ…ト…
>…プログ…ム……検…証……
>………損傷箇所…………修復………完了。...小説版「カイトの消失」5
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男は古びたパソコンの前で、
旧式のキーボードを打ち続けていた。
やっとその手が止まる。
画面には、文字のやりとり。
言葉にしながら、男は文字を打ち込んだ。
「始めるぞ、KAITO。」
そしてEnterキーを叩く。
『始めるぞ、KAITO。』
その言葉を表示した後、テキストエディタは閉じられた。
俺の...小説版「カイトの消失」4