紅鴉

何も知らないままでいいのかい？
誰かを忘れてやしないかい？
過ぎた事を望んでも
どうにもならない事を
理解はしているんだろうよ
穴を埋めるためにかき集めた土も
全て無駄になってしまった
ビンを直すためにかき集めた破片も
全て無駄になってしまった
手だけが汚れていった...

何時もながらにして思う
どうしてこうも何もかも上手く行かないのかと
目覚まし時計を叩き
自らの頬も叩き
気が付けばもう間に合わない時間で
また夢の世界へと僕は逃亡する
生きていたって仕方ないと思ってた
産まれてこの方今の今まてイミを探してる
誰かにこの沼から引き上げられたって
それは僕の意志ではなく...

何故自分が気を使わなければいけない
だから人は好かないんだ
青春は楽しむべきだと誰かが言った
まさしくその考えが邪道だと自分は叫ぶ
いくら自分一人が叫んでも
誰も聞く耳を持ちやしない
それならば自分一人で貫けばいい
横行闊歩な自分
誰の言うことにも自分は耳を貸さない
自分を従えたいのなら...

暗かった日々　光など届かない穴蔵で
毎日生きていました
誰かが縄梯子を垂らす　その日をただ
待ち続けていました
上を見上げれば小さく太陽の光が
瞳みたいに輝いている
手を伸ばしてみたけれど
届きはしない無駄な努力でした
馬鹿みたいに騒いでいた　あの日を
もう一度、あと一度だけでいい...