投稿作品10作品
もっと見る-
大事にすることで
遠ざけていたような
背中合わせで泣き合って
足りないものを
見繕っては着飾って
一緒にいて
楽しかった
嬉しかった
でも ふと寂しくて
後ろを振り返ってしまう...ひとりぽっち
-
蓮の花が目覚める前に
朝露にこの心映そう
太陽が昇り切ったら
光の中へ心解き放とう
重い心を持て余し
空を仰ぎ見る
雨に濡れた空
見えない月を探す
届かないのなら
意味はないけれど...心解き
-
あどけなさを削ぎ落としていくやうに
精悍(シャープ)さを湛えていく横顔を
正視できぬまゝ 目を伏せていました
光を弾く水面を見詰めることができぬやうに
顔を顰めて目を細める様は
さぞ滑稽だったことでせう
しかし
比喩ではなく
本当に眩しかつたのです
そこに あったのは...綺羅
-
そりゃもう 言葉 口からこぼれてしまう位
大好きでしたよ
そりゃもう 言葉 心に響かせること位
簡単だと思っていたんです
そりゃまぁ 上手く行くことばかり 考えていた訳じゃないですが
それでも 君との日々を想像しない日はなかったんです
嗚呼
この育ちに育って重たげに首を傾げた想いは
「はい、なしよ」...思い重い思い
-
そのままでは苦過ぎて
飲み込むことさえ覚束ない
くるくる包んでオブラート
溶け出す前に飲み込んで
曲がらない 曲がれない
直球(ストレート)でぶっ飛ばす
相手のダメージ底知れず
ビタービターなストライク
そのままでは苦過ぎて
飲み込むことさえ覚束ない...ビターストライク
-
月に蹴つまずいて転がり出る
宵闇を吸い込み溶け込んだ
今宵はどちらで踊りましょうか
ナイフが魅せる赤
わななく唇に引かれた赤
割れたグラスに滴る赤
どれにも染まらず踊りましょう
ステップを踏んで
軽くターンして
たたらを踏む振りして...日々是踊
-
私をかき立て揺すぶるのは
そんな言葉なんかじゃない
そんな涙なんかじゃない
もっと湿った月のように
深く心を抉ってみせて
あなたはすぐに
遠くの星をみつけては
目を細めて眺める
そこに私はいないのでしょう?
果てしない距離の前で...彼方と此方の闘い
-
背の高い秋桜と 抜けるような青空を
地面に座って眺めてた
揺ら揺ら 揺れる薄桃
綺羅綺羅 透ける青色
交差する彩りと 塞ぎ込む僕の気持ち
頼まれもしないのに身を焦がして
だんだんすり切れていくココロ
散々見つめたその先に
何も見つけられずに
宙に舞うココロ かける言葉も無く...crossing
-
音を食む 雪
雪を食む 靴
手のひらを重ねて
君の熱を食む
丁寧に咀嚼して
ココロを温めるの
空を食む 音
音を食む 傘
肩を並べて
君と時を食む...獏
-
棘がつき刺さって 私の影を縫い留めるから
そんなに遠くへ行かれない
鉛の体とコールタールの気分で
気に入りのサンダルでも浮上は困難
回り道しよう 回り道しよう
その先々で祈るように
歌を歌おう 歌を歌おう
紡いだのは君の笑顔
棘を咬み砕いて 私の影を救い出したなら
今より遠くへ行けるかな...回り道