花盗人

いつも通り君に逢いにいく道
君をさらって逃げるように此処へ来たのに
昼下がり突然のブレーキ音は全てを奪う
開いた瞼の先　白い天井
頭の中の宝石は砕かれて何も思いだせない
ずきりと痛む　心に刺さった記憶の断片
散った宝石掻き集めようと歩き出す
夢を見た　隣のぬくもりに瞼開けば
陽炎のように消えて　その...

魂の調べ
漂う蛍は私の心
壊れそうな景色に
どうか触れないで
愛してるの言葉さえ
淡い光で揺れて
触れて…触れないで…
臆病に漂う私の想い
甘い水面に揺れる 蛍は私の心
唇で触れる 甘露が私の命...

間違いなくそこは光に満ちて
眩しさに目を閉じた
僕には手を伸ばす勇気が欠けてた
逆方向へ　走り出せ
光から逃げる理由を置き去りに
深淵の森は手招く
森に抱かれて眠ろう
光の届かない奥深く
目を閉じた目蓋の裏
君の悲しい笑顔が見えた...

世界の中心に落とした涙。
僕には小さな硝子玉で。
君が溢したその意味を理解できずにいたね。
僕はどうすればよかったの…？
『泣かないで』
そう言えばよかった？
『お願い笑って』
そう言えばよかった？
後悔ばかりが海の底に木霊する。
君は知らない僕のいる海の底。...

ココロ 溶けて
宙ブラリンな想い
カラダは動く糸を失った
人形になりさがった俺
糸の切れたマリオネット
ガラス玉のような瞳に
光は映らずに
カラダに残る想いの塊が重い
これは一体なんだった？
体温が消えていく指先...

朽ちることない声　あの月明かりに似た
冷たく無機質な僕の夢幻の世
出来るなら抜け出して
貴方の涙を拭いたい
触れられそうで触れられない
此処にあるのに届かない
「この世界は綺麗じゃない」
貴方は僕に微笑んだけれど
貴方に触れられるなら
それは綺麗な世界だと思うのです...

高速落下　暗闇抱擁
落ち行く最中上に見た
月のような光よ
私には二度と届きはしない
悲しみの涙さえ
落ちるものではなく
光へ上りゆくもの
侵蝕は心から始まると知る
叶わぬ願いと知りながら
どうか呼んではいただけないか...