ブックマークした作品
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そうだ小さくキスをするから
笑いながらまた目をそらして
言いたいこと
聞きたいことばかりが
泡みたいに浮かんで
透けるような視線をかき集めて
好きなところ数えたりして
転んだ傷が痛んだみたい
お願い思い出すなら
水彩のように優しいまま...ブルーソーダの水割り
ziu
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あの子に会いに行く
きみの装いが
花になるみたい
愛しくて目で追った
首元をリボン結び
息苦しくなるの
スノードームに浮かれて
見つめれば溶けた恋が
透けて見えるようで
ハッピーエンドは切り捨て...つらら
ziu
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きっと単純な線だけで
結んでしまったから
口先が綻んですぐに
消えてしまうんだ
隙間から零れた
喧騒に目を閉じて
雨ふりの朝を
涙で溶かした
ラムネ瓶が割れて
きみの目が壊れて...夏町ドローイング
ziu
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深夜2時の私だけの地球
目に見えてる範囲に花が欲しかった
逃げている自分が醜くて
陳腐な「希望」とか縋るなら
目に痛いほどの照明で
照らしてあげるから
わたしは歌いながら
静かなローソンでパックドリンク
知らない誰かと
眠い時間を共有した...ローソン
春堂
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花に溺れていたの
声が少し錆ついただけ
どうか目を伏せたままで
雨上がりの目蓋が滲むから
たとえば
お気に入りのヒールを履いて
たとえば
遠く香る梔子を覚えていて
花びらが、ひらり
こぼれていくの...花とアンニュイ
ziu
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ぴぽ ぴぽ こわれるような 鼓動はりんぐらりん。
ちと ちと 流れる色 雑音-ノイズ-は鳴り止まない。
しお しお 雨がきみの跡々拭うので、
ぎこ ぎこ 軋む足で ただ ただ 立ち尽くす。
ぴぽ ぴぽ かき消えそうな 呼吸はりんぐらりん。
ちと ちと 溢れる色 雑声-ノイズ-は鳴り止まない。
しお...置いてけ、神様。
三五かなで〔右往左往してた人〕
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少し濁る硝子に
ひとつ、ふたつ極彩を挿した
やわく触れる指先が
一片の恋を落としただけ
見たくないものなど
見なくていいの
きれいな瞼を
縫いつけて種をまこう
ああ、食んで食んで飲み干した
花を花びらを咲かせて...花食症
ziu
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小瓶に詰めた
夜空の片隅で
流れるためにと
星が逃げ出した
掴めたものは
冷たいキスひとつ
目覚めたときには
笑って見せて
おやすみどうして
それでもいいの...瓶詰めポラリス
ziu
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割れたグラスに
星屑を注いで
少しだけ残ったのを
きみに贈ろう
片手で足りるくらい
なにもない恋でした
それでも溢れるのは
どうして、なんて
星屑にメルシー
この声で彩めて...星屑メルシー
ziu
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声を上げて頬を寄せて
冷たい指で花を盗んだ
耳を塞いだ
風の名残が
すこし恨めしくて
泣いていたの
ゆらゆらと星は
白々しくて
好きになれないの
こんな夜は...白々
ziu