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66.ゆすらうめの花 ~白ノ娘、ハクの最終回~
 初夏。緑の国が一年で一番輝く季節。
 ハクは、緑の王都の港に近い、海の見える丘の上にいた。
「ミクさま。ネルちゃん。……来たよ」
 ミクの墓に植えられた木は、美しい若葉を輝かせており、その下に寄り添うネルの墓には、ゆすらうめの樹が植えられていた。ユス...

悪ノ娘と呼ばれた娘【悪ノ二次・小説】 66.ゆすらうめの花 ~白ノ娘、ハクの最終回~

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ネル「ええっ!ユスラウメを知らない、ですって?!」
ハク「……私も、ここで知った」
ネル「ぐぐるのよ!今すぐぐーぐる先生に画像で質問よ!カタカナ変換めんどくさいと言うひとは、下の言葉をコピー&ペーストしていいから!」

ゆすらうめ

ハク「……ひらがな」

ユスラウメ
Prunus tomentosa
山桜桃梅

ネル「これでどうよッ!」
ハク「文句のつけようがないね(」
ネル「かっこの後に何しようとした?!笑うな!」

ネル「さあっ、猫も杓子も画像検索して、あたしのように清楚で上品な花と、綺麗で甘酸っぱい真っ赤なルビーのような実を堪能するのよッ!」
ハク「(味は画像じゃ堪能できない……)」
ネル「味は、公園とか誰かの庭とかでッ!」
ハク「(ヒョウタンボクとまちがえちゃだめだよ。死ぬよ)」

ネル「あ、まだ言いたいことがあるの?」
ハク「うん。ネルちゃんみたいに、強い木だよって」
ネル「……!」
ハク「それと、花言葉が、なかなか良いよ」
ネル「……偶然よ、偶然!」

ハク「(輝きと郷愁が、ミクさまとともに。……ネルちゃん。これを植えた人に、愛されているね)」


すべての悲劇と輝きの始まりは此方↓

悪ノ娘と呼ばれた娘【悪ノ娘・悪ノ召使二次・小説】 1.リン王女
http://piapro.jp/content/f4w4slkbkcy9mohk

歌詞引用(悪のシリーズ。最大の感謝を捧げます)
http://piapro.jp/content/f07u8pi6jsqleo6y
http://piapro.jp/content/p8t2upfd9t13m825
http://piapro.jp/content/w56a388f6o7fchjt










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    >azurさま

    長い物語にお付き合いいただき、ありがとうございました!
    無事に、作中の双子に、新しい人生を手渡してやることが出来てよかったです。

    >重いエピソードもありながら読後感に後味の悪さがないのは、道半ばに死んでいった者は何かを残し、生き残った者は皆何かを掴んだラストであったからだと思います。
    そうか!言われてみれば……!ミクも諸侯たちも、ネルも、その死はそれぞれ誰かの心をえぐって行きましたが、ミクは少女リンを本物の王の道へと推し進め、ホルストの死はメイコを革命へと導き、ネルはあのハクに「生きたい」と言わしめ……今生きているメイコやリンやレン、ハクは、確かにかれらから何かを受け取っていますね。
    今回、物語の登場人物は、ごく自然に今の状態に導かれました。こういう終わり方、すごく好きなんです。どんなに辛くても、最後にふわりと光を見せて終わらせる着地です。 もしかしたら、私も、これまで出会った誰かから何かを知らずに受け取っていて、このようなラストにたどり着いたのかもしれません。

    そしてやっぱりルキは……いいですよ!深い声、やわらかなシルエット。かつ、旅人!
    ふわりと微笑む桜色のスナフキンです^^*
    でも、一生ルカさんには頭が上がらないでしょうね。ルカとルキ、ふたりの道中は、文字で語ることが出来ないほど……痛くて笑える日々だったと想像しています。
    かれの「穏やかな微笑み」の舞台裏は、リンにいえないような恥ずかしい場面もたくさんあると、こちらも脳内花畑が満開です。「あの時死んどきゃ良かったッ!!」と楽器を抱えて何度も突っ伏し、かつてのレン君は素敵な大人になりました♪

    それでは、最後に、作中で繰り返した大切なメッセージをもう一度。
    「ブリオッシュは、不味い!!!」
    本当に影の主役だったと思います☆謝辞を捧げるならば、ここまでお付き合いいただいた皆様と、胡桃餡と生地をねじってまとめたブリオッシュを売り出した近所のスーパー内のパン屋に捧げたいと思います。……この「ちゃんとおいしいブリオッシュ」がなければリンはあそこまで立ち直らなかったことでしょう!
    では!本当に、最後までおいしいメッセージをありがとうございました。また次回作でお会いできたら嬉しいです!

    2011/04/07 00:56:17

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    >零奈さま

    最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
    途中途中のコメントで、とても励まされました。おかげさまで、なんとかここまでたどり着きました。もう、心情としては、遠くからずっと見ていた富士山の山頂にやっとたどり着いた、みたいな……ずっと前から見えていた場所に、やっとたどり着いた、そんな山頂の新鮮な空気を味わう気持ちでおります☆

     レンの生存を喜んでいただけて、本当に良かったです!!
    これが一番、どうしようかと思ったところでした。私の物語では、メイコは、リンレン二人とずっと付き合ってきました。だからどうしても、入れ替わりに気づかないことはありえないし、レンをそのまま殺すような人間には出来なかったのです。
     リンは女王として大儀を示して死ぬことを受け入れましたが、平民メイコはそうではなかった。これが大人の胆力であり、這いずり回って生きる、民衆主体の新しい時代だ!……という気持ちで書きました。

    ……税金の話は、予算編成をするために各地の代表を集めたところで、きっとメイコなら皆に情報を公開してくれると思います。ご安心ください☆王宮でずっと諸侯らとつきあってきたメイコなので、リンが「ブリオッシュ発言」をしたときに「あーもうなんて不器用な!」という心の叫びが「馬鹿野郎」発言につながってしまったというあたりです。

    リンは、今後は着々と人生を進めていけそうな気配がしますが、危険なのはメイコだと思います。青の国でリンを補佐したり、革命を成し遂げたり、政治の生命線である、情報をもつルカを仲間に引き入れたりと、デキる女なメイコですが、レンを逃がしたり、ホルストの死から一月近く立ち直れなかったり、「理性的な判断を下すけれども、行動が情に流される」あたり……その甘さが、意見が対立した者、もしくは諸侯の家族に暗殺される末路が待っていそうで怖いです^^;
    まあそのときは、きっと平民となったリンと情報屋になったレンがうまく助けてくれると信じましょう!きっとハクも、教会にかくまってくれるかも。

    では、また次の物語でお会いできたら嬉しいです!

    2011/04/07 00:10:38

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    >sunny_mさま

    長い物語に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

    私はいつも物語を書くときに、自分がこれまで取材してきた人生や体験を下敷きにして物語をつづっています。だから、小説に現れる物語は、私の過去であり、また、こうありたいという将来の自分への願いでもあります。今回の主人公はリンであり、その心は「悪ノ娘と呼ばれた娘」であり、また「悪ノ娘と呼ばれることを受け入れようと気張った娘」であります。

    誰もが正しいと思えるような大義名分をかざし、どこまでもまっすぐに突き進んだ彼女は、正しいことをしながらも人を不幸にしていく存在でした。周囲の人々も、不幸に巻き込まれながらも彼女を受け入れたからこそ、この「悪ノ」の世界が出来上がったのだと思います。
    自分で行き先を決め、自分で舵をとり、世間と人生という波と死闘を繰り広げる大海原に乗り出すのは本当にしんどいですが、しっかり歩き始めたリンを、作中のメイコやルカのように、sunny_mさまがちゃんと見ていてくれて、彼女は幸せ者だと思います。

     ラストで、リンは、ハクに恨まれながらもハクとの関係を続け、レンはリンと離れて広い視野を得て人の情を知り、そして弱くて不完全な大人たちが懸命にその彼らを見守り、ハクはさまざまな思いにさらされながらも強く生きることを選びました。
    このような最終回に、無事に着地したことを、私自身幸せに思います。これからも私は、子供組、大人組含め、この物語の登場人物の心情をがばりと抱えて暮らしていきます。
     また、良い取材が出来たころに、新しい物語でお会いできればと思います!

    2011/04/06 23:45:25

  • azur@低空飛行中

    azur@低空飛行中

    ご意見・ご感想

    遅ればせながら完結お疲れ様でした!
    ラストまで一気に読ませていただきました!
    作中多くの死があり全てが大円団の終わりではないですが、描かれた全ての人たちの立場、考え方、想いがたくさん詰め込まれた大作、本当にお疲れ様でした。
    重いエピソードもありながら読後感に後味の悪さがないのは、道半ばに死んでいった者は何かを残し、生き残った者は皆何かを掴んだラストであったからだと思います。

    革命後、笑顔を取り戻した黄の国の人々の中で、それが「幸せ」であるはずの自分がちっとも「幸せ」でないと気づくリンですが、「幸せ」「不幸せ」というのは曖昧で、時に自分ですら捉えるのが難しいものですね。
    誰も彼もの幸せを願いながら、その中に自分だけが含まれていなかったリン王女ですが、一人の少女としてのリンちゃんは自分自身を核として大切な人たちと一緒の幸せを掴んでもらえたらなと思います。

    それにしても、見事に「ルキ」には騙され・・・・・・!
    ふふふ、声変わりした青年バージョンの彼は、さぞかしイイ男になってるんだろうなー・・・・・・なんて脳内お花畑で悦に入ってただなんてそんなことww
    きっと「命懸け」で生かされた自分の命の重さを大事に出来る、懐の深い男に育ってくれることでしょうvいかん、やたら彼に夢見てしまう……w

    最後の最後まで活躍した、影の立役者ブリオッシュにも拍手をば。
    おやつが自作できないお菓子作りゼロスキルな私は、謹んでパン屋さんで買わせて頂きますw←

    最後まで歪みない筆力で読ませていただきました!
    お腹いっぱいになれる見事な作品をありがとうございました!

    2011/03/23 18:36:11

    • wanita

      wanita

      メッセージありがとうございます!
      お返事が遅くなってごめんなさい☆引っ越しが完了したので、デスクトップを設営して、じっくり返信を書かせて頂きます(^-^)
      わにた版悪ノを応援していただいて、ありがとうございました! …すごく幸せです♪

      2011/04/02 18:03:07

  • 零奈@受験生につき更新低下・・・

    完結おめでとうございます!
    レンが生きててホントよかったです(涙)
    まさかまさかのどちらも死なない悪ノ・・・
    ホント良かったです!
    でも、主役の双子が一般市民になったけど税金云々の話は(めーちゃんとルカさんがひっそりと共有する形で)真実を知って欲しいです。番外編「ブリオッシュの真実」!みたいなカンジで。
    双子は当然ながら「リン女王」の方も少しは報われてあげてもいい気がします。諸侯達が勝手に上げた税率とかその辺が。

    本当にお疲れ様でした!
    次回作も読ませていただきますねw

    2011/03/22 16:47:48

    • wanita

      wanita

      メッセージありがとうございます!
      お返事が遅くなってごめんなさい☆引っ越しが完了したので、デスクトップを設営して、じっくり返信を書かせて頂きます(^-^)
      わにた版悪ノを応援していただいて、ありがとうございました! …すごく幸せです♪

      2011/04/02 18:03:07

  • sunny_m

    sunny_m

    ご意見・ご感想

    最終回、お疲れさまでした!!

    悪とか正義とか、大きな感情は自分を酔わす事が出来て、盲目的に物事を進める起爆剤になってくれるから。
    本当に大変なのはそういう大義名分が無く自分自身で歩きださないといけない時なんだ。
    何も持っていない状況で、自分を前へ進めるのは本当にしんどい。
    このままでいいじゃない。とか、もう感情に流されてしまってもいいよね。とかそうなってしまっても仕方がない。
    だけどあなたたちは、背中を押してくれてる人がいるんだから、辛くても前に進んでほしい。
    などなどと、願いながら革命のあたりから読み進めてきました。
    そしてこの結末。
    よかった~!!!
    と心の中で大声で叫びました。
    も、本当によかったです。

    今後、皆、まずは誰かのためでなく自分のために生きてほしいです。
    過去はどうやっても変えることはできないけれど、どうやって生きていくかは決める事が出来るから。

    本当にお疲れさまでした!!

    2011/03/21 18:44:14

    • wanita

      wanita

      メッセージありがとうございます!
      お返事が遅くなってごめんなさい☆引っ越しが完了したので、デスクトップを設営して、じっくり返信を書かせて頂きます(^-^)
      わにた版悪ノを応援していただいて、ありがとうございました! …すごく幸せです♪

      2011/04/02 18:03:07

  • matatab1

    matatab1

    ご意見・ご感想

     こんにちは。 悪ノ娘と呼ばれた娘、完結お疲れ様&おめでとうございます。
     女王として気丈にふるまったり、レンを失ってもなんとか笑って生きようとする五年後のリンを見ていた時は、「無理しなくていいよ、思いっきり大声出して泣いていいんだよ」とやるせない気持ちでした。
     巡り音の青年がレンだとは全く予想してなかったです……。
    「桃色の髪の青年? あ、ルキの事か、男版ルカの」
     と言う感じで思いっきりスルー。レンが生きている訳がないと物の見事に引っかけられました。

     悲劇から一転してハッピーエンドになったのに安心しています。辛い思いをしてきたリンとレン(留輝)にはその分幸せに生きて欲しいし、ミクとネルを失ったハクが「生きていて良かった」と心から言える日が来る事を願っています。

     改めまして、本当にお疲れ様です。ありがとうございました! 

    2011/03/20 10:28:04

    • wanita

      wanita

      matatab1さま

      応援ありがとうございました!
      いや?無事にここまでupすることが出来て、本当にほっとしています。
      言いたいことを伝えきれずに、何かあったら正直つらいなと思い、出来ていたものを一気に上げました。メイコの国の作り方や、『国の飾り、国の顔』として働くカイトの立場も暖めていたのですが、今回は主人公の双子ととばっちりを被ったハク(!)の成長話に焦点をあてた次第です^^

      「大泣きしていいんだよ」のメッセージに、リンは、涙が出ないことを自覚していなかったのかもと、思いつきました☆レンの死が重過ぎて遺言に固執し、泣く事を忘れていたのだとしたら、それはつらいなあ……!
      正直なところ、レンを生かすくだりのところは、受け入れてもらえるかどうか不安でした。
      でも、もしメイコが双子の側にずっと居たなら、おとなしく死なせはしないだろうなと☆メイコはこの後、隠蔽工作やらルカへの口利きやらでいつの間にか人を欺きつつ国を率いていることに気づき「皮肉なものね」と笑って生きているような気がします。
      あとは、巡音ルキの声が、低音のレン声よりも成長したレンの声にイメージが近いかな…と思ったもので^^;ルカさんにしごかれて人生にも歌にも、変化があったのでしょう♪なんて。

      リンレンミクを通してさまざまな形の「悪」を、そしてハクミクを通して「生きていくことについて」、私なりの答えが折り詰めにできたかなと思っています。matatab1さんが、人生の中で少し頑張りすぎてしまったときに、うちのリンを思い出して「ああ悪になっちゃダメだ」と生温かく笑ってくれたら嬉しいなぁと思います^^*

      2011/03/20 13:49:53