歌詞設定作品

【古語ver.】
[A]
眺む ほたる ほたる
宵を縫ふ 麗しき影
在りし姿 いとほし かの人の
声はせで身をのみ焦がす
[B]
夕つ方 ただよふ
浮き草の風
手には 残らぬ歌...

蛍火の夢

月と黒猫

月と黒猫

昔から自然を愛してきた日本人にとって、蛍は儚くもしたたかで強く生きることを全うする象徴であるような気がします。つかの間の命が放つ蛍の光の美しさは、きっと私たちの人生の縮図。

大切な愛しい人と別れること-それは家族であったり、恋人であったり、友達であったり、もしくはペットかもしれない-は、生きている限り誰でも経験すると思います。「あの時、手を伸ばしていたら」…時には後悔して自分を責めてしまうこともあるかもしれない。

でも、気づいて欲しいと思います。悲しみを超えた先にある、別れた人が残した美しい光に。蛍の光のように、これからも私たちの中で輝き続ける光を大切にして欲しいと思うんです。

もうすぐ震災から1年が経とうとしています。いろんな思いが交差し、この詞が出来あがりました。何か感じとっていただければ嬉しいです。

【古語ver.について】

*愛(かな)しき人:古語での発音は、「いとしき」ではなく「かなしき」、意味は「愛しい」です。漢字表記と音の響きのギャップが、この詞を深く理解していただくことに繋がると思ったので、古語での読み方でお願いします。

*いとしき影:古語で「いとしき」は、「哀れな」「悲しい」という意味です。ですが、歌う発音は「いとしき」なので初めは現代語の「いとしき」の意味と捉えてしまうかもしれません。ですが、それでも意味が通じると思いますし、古語の意味に気付いていただければ、上記と同様、いろんな解釈に繋げていただけると思います。

実は、どちらも漢字にすると「愛しき」なところも面白いと思いましたが、区別をつけるため、ひとつはひらがな表記にしました。古語ver.に関しましては、少し言葉遊びをしています。

【現代語訳ver.について】

*文字数が古語ver.に当てはまるように訳させていただきましたので、もし曲をつけて下さる方がいらっしゃいましたら、どちらかお好きな方を選んでいただいて構いません。現代語訳に関しましては、よみがなver.を記載していないので、もし必要でしたら、ご連絡いただければと思います。