ひめごと
ひめごと
灯す篝火に揺れ映る影絵
触れては重なり枯れゆく百合の花
其は名も無き女の行く末にて
救いを望んでも叶わぬと嗚呼
今宵もまた枯れ行く
咲き乱れた先に
月明かりに照らされ
また一つ消えてゆく
藍に染めあげたこの身は夢うつつ
濡れた羽根を震わせて
汚れ満ちた弱き心に刻まれた
声を殺し泣き叫んだ戯言
籠の中に閉ざされた想い夢うつつ
折れた羽根を切り裂いて
闇の淵に落ちて行く百合の花
愛を知らず偽りのひめごと
来たる遠い日に待ち焦がれ夢うつつ
朱い糸を結い合わせて
澪の月に照らされた大きな涙
地より低い空へ落ちてゆく