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雨の音だけがむなしく響く6月。
レンの家に行かなくなって、約1ヵ月。
レンは、あの事故からは学校には来ないで、家で勉強をしているため、あれからレンと会っていない。
レンと会わなくなってから、私は気付いてしまった。
私は、レンがいないと、何も出来ない。
私の、レンがいなくても、貴方のような優しい人にな...空想パレット3【自己解釈】
亜梨亜
そして現在。
あの時、私を助けたせいで樹から落下してしまったレンは体の右側を下にして落ちたため、、右足と右手首の骨折という、大けがを負うことになった。
そしてその右手の手首にはしびれが残ってしまい、最終的には絵を描くことはおろか、字を書くことさえも困難になってしまった。
――なんで、どうしてこん...空想パレット2【自己解釈】
亜梨亜
私の心はいつからか、色褪せていき、無色となっていたー…。
きっと、もう元には戻れない。
私はもう、『自分』の色を、捨ててしまったから。
* 空想パレット * 自己解釈 *
「わー、すごい!綺麗。また絵、上手になった?鏡音さん」
「そうですか?ありがとうございます、先生」
「誰かに教えてもらってるの?...空想パレット1【自己解釈】
亜梨亜
だけど私は口にする。
今はまだ拙い言葉でも、届けたい思いは確かに―――ここにあるから。
<私的空想パレット・6>
私はものすごく緊張していた。
いや、その、単に彼のクラスを訪ねるだけなんだけど、わざわざ他のクラスに出向くことなんて滅多にないし。
しかも相手が男子なら尚更。もしかして、初めて...私的空想パレット・6
翔破
<私的空想パレット・5>
「あいつが部活に来なくなったんだけど」
そんな相談を受けたのは、昼休みに彼の姿を見かけなくなってから二週間くらいした時の事だった。
私は鞄に教科書を詰める手を止めて、頭の中でその言葉を解読する。
あいつ、つまり美術室のレン少年が部活に来ないって事かなあ。
…え、いや...私的空想パレット・5
翔破
ただ色を重ねれば辿り着けるのだと。
ただ色で塗り潰せば変われるのだと。
私は、そう信じていた。
<私的空想パレット・4>
かたん、という音と共に、絵筆が机の上に置かれた。
「…君はもう来ないと思ったんだけど」
彼は、理解できないと言うように金髪を揺らしながら静かに口を開く。
そこに微かに...私的空想パレット・4
翔破
届かないと分かっているのに、手を伸ばす気にはならない。
それは結局、私とそれの間にどれだけの距離が横たわっているのかを突き付けるだけなんだから。
諦めるしか道はない。
だけど、それすら簡単には出来なくて…
<私的空想パレット・3>
出来の良い年上がいるっていうのは、かなりのプレッシャーだと...私的空想パレット・3
翔破
時にそれがどうしようもなく私の心を苛んだって構わない。私は、何度も自分に言い聞かせて、激しい感情を塗り潰しながら生きてきた。
それで良いのだとずっと思っていたし、そうすれば目指すものに近付けるのだと思っていた。
<私的空想パレット・2>
「昼休みに油絵?ああ、なら多分あいつだよ」
あっさりと友...私的空想パレット・2
翔破
この世界には、確かにうつくしいものが存在する。
それを知っているから、それに憧れ、焦がれる。いつか自分もああなりたいと思って、多少生活態度を改めてみたりする。
でも同時に、どうしようもないということにも気付いてしまう。私では、届かないんだと。
彼等と私の間の断絶は、どうしようもないくらいに明...私的空想パレット・1
翔破