作品一覧
その他
オンガク
「疲れたの」 長く澄んだ色の髪を弄びながら、彼女は言う。 「僕もだよ」 そう口に出して僕は、閉ざされた暗い部屋の電灯を点けた。 「寝なさい」 彼女の柔らかい髪を撫でて、睡眠を促す。けれど彼女はうなだれたまま。 「お兄ちゃん」 「何?」 「歌うって、楽しいことなの?」 僕の顔を捕らえた彼女の目は、酷く...
青緑色の哀しき絶対音感