hatoko

彼の名前は、仮にKとしておこう。
彼は弟の友人である。今は高校１年生で、誕生日的に見れば１５歳で、それはつまり私と１０歳差だ。
つまり、私が１０歳のときに生まれた赤ちゃんなのである。
ほにゃほにゃしてみんなに可愛がられてるときに、私はすでに小学校で分数の計算とかを習ってたはずだ。
それなのに、それな...

私の名前は、仮にmということにしておこう。
誕生日、迎えたわけですよ。２５回目。
自分の歳＝彼氏いない歴を、一体いつまで続けるんだろうとかいろいろ悩んでて
でも、誰かを好きになるとか恋をすることはないなと思ってた。
どうしても、振られたときが怖いというか、好きになった人が自分じゃない誰かを見ているの...

右手には　終焉を
生温い　指の先
あなただけを見てる
赤く染まる瞳
もういない　ヒトリきり
あなただけ　ヒトリだけ
ほんとに
ほんとに？
わたしは　どこに？
左手の　その指輪...

「それって嘘でしょ」
いつの間にか、どこかのネットワークを通じてレンが隣にいた。
僕は彼の言葉に気をそらされることなく、グーグル先生を頼りに
広大な世界のなかにあるはずの、一つのファイルを探していた。
――嘘なんかじゃない
「どうして？」
――マスターは、そんな人じゃない
「人間はアプリと違って、裏...

お気に入りの　マフラーまいて
てぶくろは　ママのおさがり
すこし強くなる　北風も
これで勝てる　気がしたんだ
わたしはまだ　強くはなくて
まわりに迷惑かけて
でも　それでも　たまには
そう　ひとりきりになりたいよ
あかい　あかい　夕焼けぐらい
わたしのものに　してみせたら...

あなたの知らない　フォルダの
MEIKOも知らない　データのはじっこ
たった一つの言葉が　刻まれていたのに
気がついたのは　僕が働きはじめて　２日目のこと
ここには　前にも　僕がいたって
そんなこと　誰も　教えてくれなかったのに
いつかいた　自分のかけら
窓からのぞけなかった　そのファイル
信頼して...