功刀

1A
冬のある日、現れた
大きな熊の姿をした
隣国の王子の兄は
薔薇姫に見棄てられた
1B
何故だ、しろばら
君はいない
僕の、この呪いをとく
旅に出たまま、戻らない...

1A
べにばら、しろばら
双子の薔薇姫
母と３人で仲良く
暮らしていた
1B
ある日、しろばら招いた
雪にまみれた熊を
暖炉の前に眠り
わが家に居座った...

1A
しろばら、べにばら
双子の薔薇姫
母と３人で仲良く
暮らしていた
1B
ある日、しろばらが見つけた
雪降る、わが家の庭で
白に染まりつつある
大きな熊...

1A
村外れの小さなボロい家
その家に誰も人が住んでいるとは思わない
だがしかし、たった１人
光も無い中に
蒼き髪の乙女が住んでいる
1B
綺麗な髪を持つ
彼女は何故ココに住んでいるのか
美しくも廃退的な...

1A
白い布で出来たずきん
「可愛い子」と言って
ママが被せてくれた
別に　いらないけれど
1B
白い白い純白にフリル
街で評判よ
褒めちぎられているの
お世辞なのバレバレなのよ...

1A
闇の中にたった１つ
生命の鼓動が聞こえた
1B
初回、人を守るためと
たった１人、閉じ込められた
この闇の中に...
「私ハ、何故ココニ居ル」
「誰カ、私ヲココカラ出シテ」
「無理ダヨ、ナンテ言ワナイデ」...

1A
さっきまで、目の届く場所に
大切なメモがありました
しかし、今ではドコにも
そんな影は見当たらない
1B
１年間の目標を書きました
「勉強を頑張るよ」とか、
「ダイエットを成功させる」
色々と書いたのです...

1A
左手の指をボキッボキッ
折られてしまったったったっ
だけど、まだ右手の指が
あ・る・か・ら、大丈夫
1B
病院からの帰り道で
俺は迷っちゃったらしいぜ
だけど、まぁ道なりに
進んでいけば家に着くさ...

1A
２人の兄妹がいました
妹の名前はグレーテル
愛らしくも病んだ少女は
たくましい兄と２人
森に捨てられちゃったの
1B
パパとママがいたけれど
私の頭の中にいるのはお兄様だけ
いつも一緒にいて下さる？...

1A
２人の兄妹がいました、とさ
兄の名はヘンゼル、たくましい男の子
ヤンデレな妹と２人
森に捨てられた
1B
父と母と妹と幸せに村で暮らしていた
のに、ある日母は病気でコロリ
綺麗な継母がやって来て
家計は火の車に早変わり...

1A
目の前に広がる、一面の白
数字の羅列がソコに並んでる
４月からしっかり準備をして来たのに
私を表す数字は見当たらないよ
1B
色んな説明を聞いてきたよ
どんな資料も読んできたよ
様々な問題を解いてきたよ
でも...私は冬に枯レタようね...

1A
暗い闇に落とされた
小さな、私は
どうすれば良いのか
全く分からなかった
1B
上に行くほど見える
小さな、光は
心を弾ませる希望で
私はドキドキしちゃうよ...

1A
遠く離れた場所に行く君に
伝えたかった、言葉があるよ
「君の事が好きだよ」って...
もう、叶わないけどね
1B
初めてクラスメイトになった
君とは、すぐには話せなかった
１ヶ月経って、やっと話すようになった
それからはずっと友達でいた...

1A
薄紫のライトが仄かに光る
ココはドコ？
半円の白い幕に包まれ
僕は君の隣にいる
こんなに嬉しい事は、初めてだった
1B
上を見れば、幕のつなぎ目
横を見れば、興奮している君
真ん中を見れば、球体の映写機...

1A
「ごめんなさい」
私は最低な奴なんだ・・・
親友と呼べる彼女
文通で知り合った
好きなジャンルが似ていて
とても話しやすかった
1B
どんなに落ちこんだ時でも
彼女からの手紙を見れば...

1A
色とりどりの花火たち
とても、綺麗な色をしてるね
赤に黄色に緑に青・・・
どれもこれも、美味しそうだね
1B
花火を揚げてみようよ
でも　どうやって揚げるの？
気合がありゃ、出来るはずさ
じゃあ、気合出してやってみる←...