タグ「弱音ハク」のついた投稿作品一覧(4)
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「生きていてごめんなさい」
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あの惨劇から数ヶ月。
私は町外れの教会で新たに暮らし始めた。
静かな教会。教会の近くには小さな港が有るが、余りそこに人は近寄らない。風が強いからだという。
そんなある日、革命で王女が死んだと風の噂で聞いた。
―当たり前だと思った。
今まで黄の国の国民を苦しめ...白ノ娘 ―4―
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私とミクちゃんは二人でこっそり村を抜け出して、街で暮らし始めた。
街は活気があって、あの私を蔑んでいた人達が住んでいた村とは違いとても居心地がよかった。誰も私を蔑まない。大切な人も隣に居る。
もちろん仕事無しでは飢え死にしてしまう。だから、私達は仕事を始めた。
不慣れな仕事と生活でも、二人なら大丈夫...白ノ娘 ―3―
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「ちょっとあんた」
ある晴れた昼下がり。
突然ノックもせずに堂々と部屋に上がりこんできたのは、隣に住む女の子だった。女の子の目は猫科の動物を彷彿とさせる瞳で、それが今は釣り上がっていて余計に怖い。女の子は腕を組んで私を見下ろす。
「あんた、緑の髪の子と仲良くしてるんでしょう?」
「はあ……」
女の子...白ノ娘 ―2―
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「生きていてごめんなさい」
いつからだっただろう。こんな気持ちが湧いてきたのは。
いつからだっただろう。こんな弱音ばかり吐く自分が大嫌いだと思い始めたのは。つまらない人生だと思い始めたのは。
ああ……こんな私が生きていて、ごめんなさい。
「あの子、魔女なんじゃないの?」
「顔は若いのに白い髪なんて…...白ノ娘 ―1―