タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(9)
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生い茂っていた緑は枯れ果てていき
寂寞漂う砂が拡がるばかり
そこには花(いろ)も水(おと)も無くて
ただ虚しくて
私の存在が恨めしい
この躰(み)が纏う熱は
皆の夢を挫いてしまうの
期待も望みも与えられない
淋しい大地は何処まで続くのだろう
嗚呼……夜が明けようとしてる...太陽の唄
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晴れた日の大空に
雲の無い青空を
誇りの翼を広げて飛ぶ
穢れた翼で黒く汚(よご)す
誰か見てよ
誰も見ないよ
ほら、美しい色だろ
...鴉の唄
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◇ 貴方に逢えて私は ◇ ◆ 君に逢えた事で僕は ◆
◇ 忘れかけていた笑顔を ◇ ◆ 失いかけていた笑顔を ◆
◇ 思い出す事が出来ました ◇ ◆ 取り戻す事が出来たんだ ◆
◇ 世界、覆う闇に ◇ ◆ 世界、包む闇に ◆
◇ 切り...紙飛行機 ~邂逅~
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病室に戻った私は、ベッドの上で彼の手紙を眺める。
何度も何度も読んだ文章。
それでもその度に心が温かくなってくる。
何だか頬まで火照ってきたみたい。
貴方の事を考えると、いつもこうなるの。きっとこれが、“恋”というものなんだよね。
私は手紙を口元に当て、小さく笑みを零した。
――――バッ。
「パパ…...紙飛行機 ~PartⅢ~
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前日の検査では、お医者さんが難しい顔をしてその結果を見つめていた。何も言ってはくれなかったけど、それだけで私の体が悪い方へ向かっている事ぐらい十分分かる。その夜に来てくれたパパが、またいつもの一言を言ってくれたけど、良くなる可能性なんて無いって事分かってるんだ。
諦めにも似た絶望を心の奥にしまい込み...紙飛行機 ~PartⅡ~
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ある時代の、ある場所に、一つの病院がありました。
戦争により土地は荒れ果て、蔓延する疫病。治癒する術は未だ見つかっておらず、その病に冒された者は皆、そこで一生を過ごす事になっていたのです。
そして、私もその内の一人。
他に誰もいない個室で、毎日ベッドの上。たまに来る看護師さんは、医療機器を少し調整し...紙飛行機 ~PartⅠ~
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翌日。
独房に三人の看守が入り込んできた。
そして突然二人が僕の両腕を拘束すると、もう一人が何かを探し始める。
数分としない内に、その看守はベッドの下が不自然である事に気が付いた。
「ここか…」
彼女の紙飛行機(テガミ)を全て掘り出し、僕の目の前に持ってくる。嫌な予感が胸をざわつかせた。
「こんなも...囚人 ~PartⅢ~
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翌日。
僕はいつもの場所に向かい、誰もいない柵の向こう側へ紙飛行機を飛ばした。
二人を隔てるこの“カベ”を超えていけるように、高く、遠くへ。
返事が返ってくるかなんて分からない。あの子がここへもう一度来るという保証だってないし、たとえ来たとしても、読まれずに破かれてしまうかもしれない。
期待と不安が...囚人 ~PartⅡ~
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ある時代の、ある場所に、一つの収容所があった。
そこへ連行されるのは、差別を受けているとある部族。老若男女問わず、全員が強制的に連れて行かれた。
そして、僕もその内の一人。
檻の中に閉じ込められ、看守の気紛れで暴力を受ける日々が続く。身体中に痣を作り、床に染みが出来るほど血を流した。その痛みが疼いて...囚人 ~PartⅠ~