白在の投稿作品一覧
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夕日の帰り道 少し寄り道をして
石段の猫を横目に ふたり鳥居くぐる
お社の裏手に 秘密のけもの道
開ける視界に差す朱(あか) ふたり秘密基地
街の向こうに ひかる水平線 ねえ、きれい
そして海の向こう 落ちる太陽 飲みこまれて いく
茜染まる街 見つめるきみ 横顔に紅(くれない)
海の向こう 去っ...茜差す
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教卓に手をついたセンセイがしたり顔で
「机に全員顔を伏せて」
「やった人は手を挙げて」
ぼくたちは従うフリをしながらも
おたがいを探る
ぼくがやりました。嘘です。
ぼくはやってません。嘘です。
小さな嘘をつく。本当になる。
小さな本当を言う。嘘になる。
大人になったぼくたちは...思春期混迷
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電子のこの海で永遠に泳ぎ続ける
無音のただなか 私人魚姫
宇宙の真ん中で足元に地球を見るの
無重力 空も飛べそう あ、飛んでたや
泳いでるのかもね
唯と零との交錯する この海で
私ひとり数字遊び ほらなんだって作り出せるからね
たったひとつ わたし つくれなかったもの
あなたのためだけの わたしだけ...現状無題(BUTA様にお任せします)
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「オトナになんてなりたくない」
「少女のままでいたい」
昼休み イス集め ファッション誌にはしゃぐコたち
その風景 他人事 ため息がでる
保健室 自由ノート 匿名の声ひろっては
気まぐれに 返信のふり 本音書き込む
帰り道 通学路 遮断機 踏み出せばどうなる
夢想をする 私の身体 飛び散るアカシロ
...不完全少女
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なにもない世界 目を閉じても ひらいても くろ
伸ばしたうで 指先を見つめる 惑星色
塗ったネイル きらりひかる それすらも くろにとける
なにもない世界 目を閉じても ひらいても くろ
宇宙探査
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もしかしたらうまくいくと 期待していた きみとの恋
僕たちは幼馴染 何でも話せる トモダチ
きみの恋の行方なんて聞きたくなかった
それでも 笑って よかったね
頭をなでて顔を見られないように
幼稚園砂山を作って笑ったこと
小学校少し意識した遠足の帰り
優しい人なんだよ なんて笑わないでよ
その笑顔...伏恋
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ステージを見るキラキラしたその瞳
見えてないと 思ってるでしょ 全部見えてるよ
私の推し色 サイリウム 呼ぶ声
聞こえてるよ 来てくれた その日からずっと
knock'ing on 聞こえてる?
あなたの心の扉 叩く音 私のホントの声
「ありがとういつもいつも!」
knock'ing on 聞こえて...イデア
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もしも願いが叶っても 王子のキスは要らない
尾びれを魔女に頼らず足に変えて
塔の中で本の中に 夢の灯りをみている
長い髪の少女 髪を切り外へ
叶えたい恋があるの
まだ本でしか知らない
出逢いたい人がいるの
予感がするの
踏みしめるレンガ道 その先の丘
星の月の下に 何かが待っている...叶恋
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雑踏の中で握りしめていた 封筒を開いてみたぼくは
何ひとことも書かれていない、そのことにとまどってたちすくむ
だれもが行き先を知っているそんな世界で
ぼくだけ方向もわからないままでいるの
前に歩いていけばいいか
それとも後ろが正解
右に追うべき人がいるの
それとも ああ ここで、ただ。
交差点の中央...雑踏
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凍る月夜 翻る 真っ白に波めく
ドレススカートのリボン
裾からのぞく金属音
放て
相思相愛 恋の吐息 約束 尊敬 素朴
美しい少女 しとやか 我が心君のみぞ知るの
夢かなう 神の祝福 不可能なことも成し遂げるの
愛の告白 平和 友愛 あなたのために身を捧げるの
散らせ
花束を...Black baccarat-ブラックバカラ-
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海が見たいと 君が言った
僕たちの街に 海はない
僕は考えて 次の日
自転車に乗り 君の家
ふしぎそうな君を後ろに乗せ
無言でペダルをこいだ
背中が全部心臓みたいで
鼓動が伝わらないようにと
明け方の湖で自転車ををとめた
君は白いワンピース翻して...現状無題(考えてくだされば嬉しいです)