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秘蜜~黒の誓い~
最終章 「禁断の果実 終止符を打つ瞬間(とき)」
ロンは、僕を見つめると、小さくつぶやいた。
「その娘の命がもどったとき、それがお前の最後だ」
「・・・・わかってる。もう、何も・・・・・・言わないでくれ」
そして僕は彼女に向き直り、その冷たい唇に、自分の唇を軽く重ねた。
...秘蜜~黒の誓い~ 最終章
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秘蜜~黒の誓い~
第四章 「裁きの矢」
馬車にゆられながら、僕は昨日の出来事を思い返していた。
薄暗い路地裏に腕を引っ張られ、連れ込まれた。相手の顔も確認せずに
その手を振り払おうとした、その時。
「・・・リン・・・・・リンだろ・・・・・?もと天使だった・・・俺の相棒の・・・・・・・」...秘蜜~黒の誓い~ 第四章
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秘蜜~黒の誓い~
第三章 「漆黒ノ花嫁」
少女の結婚式当日。
前の日までずっと雨だったのが嘘のように、その日は見事な晴天だった。
教会にはたくさんの貴族が招待され、皆笑顔でいっぱいだ。
その中でミクだけは、どこかぎこちない笑みを浮かべている。その日の彼女は、
実に美しかった。相変わらず...秘蜜~黒の誓い~ 第三章
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秘蜜 ~黒の誓い~
第二章 「情欲 禁忌の箱」
その夜私は、大きな広葉樹の枝にもたれながら、静かに考えていた。
人間と天使の恋は許されない・・・・・
なら 私は、どうすればいいんだろう・・・・
どうしても叶えたい。彼女にふりむいてほしかった。
・・・・私が、
私が人...秘蜜~黒の誓い~ 第二章
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秘蜜~黒の誓い~
序章
夕暮れ時のアンダスの街は、いつもより静かで、人影も少なかった。
ただ石畳の上を歩く足音だけが聞こえる。天使はオレンジの空を見上げ、
ふっと視線をおろした。そこには黒い影。
背中には 白い翼があった。
もうそれを持つ権利もなくなったというのに、なぜ取れないのかわからなかっ...秘蜜~黒の誓い~ 第一章