CHOCO BABY

フランティーア　セルディークォ
ウィンディエラ　プルスコルァーレ
フレイア　フラレイーア　ディアレルゴ　ゼンダ
ダンゾラ　エンヴルティ　リアーレ

クォラーレ　シンティア　シンティアリア
ウリガ　トゥール　アリアトラ
プレルオー　コルテーラ　アスティ
シストーリア　フルウィド　ランカー
スウォレー...

あれから、リンは毎日のようにあの広場へと足を運んでいた。
もちろん手にはあの本がある。しかし、前のように物語の世界へと入り込むことは出来なかった。
ちょっとした木々の音や風の音に敏感に反応して、つい辺りを見渡してしまう。
「……はぁ…」
リンは開いていた本を閉じると、頭上を見上げた。
紺色の空と煌く...

「…一体どんな話なのかしら、今から楽しみー」
鬱蒼と茂る林の中をリンは明かりも持たずに軽やかな足取りで歩いていた。
いくら満月といえど、林の中はほぼ暗闇に等しい。
だが、その暗闇はリンにとってなんら障害にはならなかった。
それも至極当たり前のことだ。
何故なら、月と闇が支配するこの世界は―――真紅の...

私はずっと自分の運命に
流されるように生きてきた。
ううん、生きてきた…じゃない、
生かされてきたんだ。
それが当たり前だと思ってたし、
不満に思うこともなかった。
私を取り巻く世界は優しくて、
絹のローブのように包みこんでくれていたから。
だから疑問に思うことすら
思いつかなかったんだ―――。...

この歌はすべてを包みこみ
その渇き(たましい)をみたすまで
響きわたる
星よめぐれ
生命(いのち)をおくる
瞳を閉じて弦をはじく
共鳴するふたつの声(おと)
祈りを…祈りを…捧げよ【elus puriwela】
祈りを…祈りを…捧げよ【elus puriwela】
手と手つなぎ　声をかさねて...

目を閉じればまた廻る世界で
私は君を探して 新しい扉を開く
君は何も知らなくていい
どんな声が聞こえても
『耳を塞いでおいで』
どんな音が聞こえても
『何も知らない振りをしておいで』
君の涙をぬぐう為に
この手は存在するの
悲しみなんて感じさせない...

震える吐息が
誰の名を呼んだか(…シッテイル)
その小さな手で
誰を抱きしめたか(…シッテイル)
僕のためだけに
囀っておくれ(…シッテイル)
愛していると
…その甘い唇で
網膜の裏の世界で繰り返される悪夢
侵略する蒼く澄んだ至高の宝石...

終焉を告げる鐘　始まりを謳うコマドリ　眠りについた世界　
目を覚ます姫君　その手をとった少年…
硝子色の瞳を手で覆う君は何も恐れずただ
頷いた　全てを知り全てを受け入れて　世界に融けた…
さぁ…私の色を貴方へ
今…私の血を貴方に
真っ白い棺の中眠る君の頬に触れた 時は来た　
約束　誓いと　願いはこの...

Sento un affetto（セントウン　アッフェト）
pien di desir, （ピエンディ　デシール）　　　　　　　　　　　　　　 　　
Ch'ora e diletto,（コーラエ　ディレット） 　　　　　　　　　　　　 　
ch'ora e martir.(コーラ　エマルルティール)...

目が覚めたら針山の上の椅子　手にしていたのは卵の殻と鍵
逆さに捩れた螺旋階段滑るようにアノ人がやってきた
『ようこそラビリンスヘ！きみのなくした言葉
それはここへの通行料となった』
むせ返るような甘い煙
薄明かり　部屋の中で私は
ただその踊りを見ていた
ラララ、ラ、ラ、ラララビリンス
ラララ、ラ、ラ...

flocon de neige　flocon de neige　flocon de neige…
気づいていたの 聞こえていたの この声は…
扉を抉(こ)じ開ける音も壊れる音も崩れていく世界にも
　
ここはぼくらのお城(らくえん)おうさまはボクおうじょさまはキミ
儚いキミに失くしたあの歌を
耳を塞い...