来海 未来

A)
割れた水晶に手をかざす
螺旋状の因果律を零し
貼り付けた少し紅い笑顔
愛情は雨に溶ける
B)
見て見ぬふりをした
間違いじゃないから
でも全て分かっていた
毎秒時計の針が鳴る...

A)
言葉の綾に縺(もつ)れ
絡まったこの感情を
切り落とせば楽になれる
それでも一つずつ解(ほど)いてる
B)
一人は嫌とか 認めてほしいとか
捕らわれたままでいい 否定はしないで
S)
紡ぐ全て綺麗事で 寂しくて笑いたくて...

A)
私は知ってるからね
君が頑張ってきたこと
大丈夫だよ こっちにおいで
抱きしめてあげたいんだ
B)
強がりなんてしなくていい
もう誰にも見せないから
私はずっと傍にいるよ
寄り添ってあげるよ...

A)
いつまでも星屑だった
まだまだ一人で輝けなくて
そんな「たくさん」の中で見つけた
君をずっと見ていた
B)
ココロの中で語る「幸せ」って何だっけ
誰かと一緒にいること？
ただ見てるだけ それだけでいい
君がいればすべて輝く...

A)
いつかその声は途切れるんだと
分かっていても分かってなかった
あの何でもない日々の声を
後悔しながらもう一度聴き直すの
B)
形に残らないものだとしても
今もずっと頭に響いている
きっとこの心は変わらない
S)...

A)
これから先に見えるものがあるとするなら
それを追いかければ正解なのか
何も分からないまま 辿り着けないまま
ただ歩いている
B)
全部上手くいかない 笑顔を貼り付けて
これが大人になるってことだと分かった
自分の未来を愛せたら
どこか違う空が見えたのか？...

S)
奪われた世界で
閉じられた鳥籠(セカイ)で
天空(そら)は残酷を語る
黒く染められたこの邪悪の下(もと)で二人…
A)
小さな国から始まった小さな争い
誰から始まった感情とも分からずに
いつの間にか狙われた王国の姫様(かのじょ)は
誰に助けを請うこともなく目を瞑った...

A)
隣にいたあの日が懐かしいかな
辛くって泣いちゃって怖いけど
一人で歩くこの道たちはずっと
一緒って心で感じてる
B)
あるはずもないキセキに頼って
私は未だ弱いままだ
どんなことも乗り越えようとする
強い君を応援したいのに...

静かな道を今日もまた歩く
あの日の味を思い出して
忘れかけてた孤独の意味を
学び直していくの
二人で見たものは今も残ってるのに
一人で見ていても何も残らない
どうしてなんだろう
同じはずのものが同じじゃない
茜色に染まる空はすぐに落ちる
もっと見られたらいいのにな...

S)
「私はここだよ」
不確かな記憶を残したまま
A)
少しだけでも触れていたい
もうそれだけで構わない
でもそれだけも叶わない
ただ見てるだけしかできなくて
B)
涙はたくさんのものに形容されるけれど...

一冊の本 さらっと差し出して
親しげに君は貸してくれたね
もしもそれが無かったなら
今の僕はいなかったのだろう
それは偶然な そして必然な
今の僕を作り上げた思い出
とても軽率で とても重要な
何気ないこと きっとそれが未来(あす)をつくる
あぁ 君と出会えなかったら
多分僕は僕じゃなかったの...

S)
月影に照らされる重なった運命
いつまでもこのキセキが続きますように――
A)
いつまで続くとかそんなの考えなかった
ただ今を大切に それだけでよかった
どれだけ周りから何を言われようたって
二人は結ばれてる 何も怖くはない
B)
これから先に何があるとしてもきっと……...

A)
別れ道につくられた分かれ道
君が行く先 僕は知らない
いつの間にか当たり前だった奇跡
それが終わればまた独りだ
B)
出会えたこと 話したこと 遊んだこと 笑ったこと
明日はもうできなくて
これが僕への試練だとしたら
もう越えられない未来でいいから...

「いつまでもここにいる気なの？」
そんなことを聞かないで 分かってる
それでもあなたを忘れるわけにはいかない
まだ今も忘れたいものを
拾い続けて 抱えて沈む
悲しみの海へ
それがあの日の笑顔を
守ることだと信じてる
「ごめんね」
私の涙もこの海の中ではもう...