もっふぬ

散々な日々　さまよう路地裏
青く染まった　奏でる掌
ふと差し伸べられた手を取り
どこへ向かおうか、さあ
キラキラ輝く　昔日の残影
ドロドロ蠢く　現世（うつしよ）の圧に
二人で進めば　征けるはずだと
根拠はいらない　必然もいらない
ずっと共に歩み続けよう
君は　エブリディ　きっと忘れてしまう...

倫理が途絶えた　港の酒場
壁掛けの絵画　煙（けむ）る窓
喧噪の中　誘い込むのは
ようこそ　紳士淑女の皆様
此処は世の端（はし）　愉快な社交場
心の安寧　安らぎの場所
扉を叩いたあんたは正解！
今からでも遅くはないさ
ゆっくりしてって　歓迎するとも
あんたは誰だい？...

君とじゃなきゃ意味ないよ
あの栄光を　今　きっと
共に走り抜けていくんだ
さあ始めよう　輝きのその先へ
知らない　知らない
君以外は知らない
僕の心がどれだけ満ちているかなんて
いらない　いらない
かつての功績なんて
守られた檻から吠えるやつなんか　ほっといて！...

地下に籠もった　天邪鬼
人工的な　手つかずの街
枯れてく身体　錆だらけ
そんな僕等の　生きる住処さ
廻って　踊って　鳴らない心が逸り出す
走って　眠って　いつかは掴む情緒の欠片
飾って　嫌って　悲しき因果に想い馳せては
君と　ふたり　生きてく世界は
今さら幻想に頼ったって
僕等が消えて　陰った夜空...

白夜を越えた　黒の街
朝焼け伸びる　輝く空と
風と潮が　刹那に連れ去っていくの
光る青　染まる白
波が攫った　過去の潮騒
綴った手紙なんて　知らないでしょう
きらきら輝く　その背中へ
太陽の影背負って　君は踏み出した
追いかけるわたしのことなんて　見ないまま
街中の風を切って　明日を見に行くよ...

「我は問う」
流れる血潮が　飛び込む浪漫へ
貴方の色は何色で　私の命は何者で
引き寄せた糸が　千切れても
輪舞曲（ロンド）が止むことはない
ハハハ　笑って
我は問う　gula
我は問う　luxuria
我は問う　avaritia
我は問う　ira...

豪華絢爛　崩れたシャトー
暗い檻から　願ってる
今すぐ逢いに　来なくて良いわ
貴方の姿　想ってる
私の喘鳴　砂のように消えていく
この身体を弔って
今は戻らなくとも
きっとあの場所で　朽ち果てれば
紅（あか）に染まった　無限の回廊
滾る掌（てのひら）　逸る鼓動...