モゲタ

「えー、君達は完全に包囲されている」
「無駄な抵抗は止めて出てきなさい」
「今ならまだ間に合う！罪を償いなさい」
世の中バカばっか
世の中アホばっか
毎日同じことを繰り返して
何が楽しいの？
人生そのものに
飽きを感じた僕の
犯行声明...

君を見たのは偶然
なんかじゃなくて
必然なんかでもなくて
自然だったと思う
ただ話がしたくて
少しでも隣に居たくて
緊張しきった笑顔を向けた
今日も話せた
明日は話せるかな？
ドキドキしたのを覚えてる...

「窓側の席の男の子が」
「あの明るいヤツ？」
「そう。手首切って…」
無数の傷がついた心に
塩を塗ってみようか
掴み出されそうな痛みが僕を襲うかな
それとも…
いつの間にか高校生になっていた
そんな生き方してきた僕にとって
教室は地獄と化していた...

目を閉じるとある音が聞こえる。
まるで聴いたことも見たことも無い音。それはいつまでも続き、胸を締め付ける。
そう、肉を咀嚼する音。
生々しい音が耳にまとわりついて離れることなく僕の心を喰いつくしている。
抉るように、潰すように。
僕がその時抱く感情はどんなだろうか？自らも解らず迷子になっている。
欠...

大人ってなんだろう？
正しいことを言う人のこと？
間違いを正す人のこと？
それこそ間違ってるでしょ！
大人ってなんだろう？
仕事をする人のこと？
体が大きい人のこと？
それも間違ってるでしょ！
態度がデカイからお偉いさん
とは限らないし...

辺りが暗くなって私は急に寂しくなった
思わず手を繋ぐように握ってみたけど
君はもういなくて
最終下校のチャイムが私達の秘密の合図
自転車にまたがって待つあなた
手を振って駆け寄る私
二人乗りで今日も帰ろうか
本当はお互い言いたいことがあるんだけど
どちらも言い出せなくて
何となく一緒に帰る...