ヨシサト

僕らが初めて泣いた瞬間は　確かに確かに「ひとつ」でいられたのに
時を生き往くその中で　「ひとつ」「ひとつ」失くしていくの
風に強く背中押され縺れる足を
何処に向けるか判らずに　溜息ばかりが先を行く
ゆるく丸まり気味の肩　無理矢理張って
痛みを堪えるその度に　明日がぼやけた
思い出せないあの場所に　忘...

花咲かぬ　赤焦（せきしょう）の大地に
降りしきる　砂の雨
足跡も亡骸（なきがら）も掻き消して
風遊ぶ　黒の谷
一縷（いちる）の水に　縋り　祈り
濡れた双眸が　針になる
水誘う　白亜の砂原（すなはら）に
湧きいずる　夢の波
碧玉（へきぎょく）を　溶いた陸の楽園
洟（はな）謳う　青の海...

「燻っている」　今はそう感じるだけで
どうしたいのか　よくわからない
なんて恥ずかしくて言えない　さァてどうしようか
多分何か「満たされてない」のだろうと
アタリはついているけど
コレだと思う答えに　辿りつけてもいないみたい
「いつかきっと」　なんて待ってられない
誰かじゃなくて　自分でこなすわ
強...

嗚呼　あなたはもう道を決めてしまったのですね
嗚呼　あなたはもう振り返ることはないのですね
それなら私もこの温かい思い出の場所を離れ
歩いて行きましょう　種も捨てて
嗚呼　あなたはもう道の終わりを知ったのですね
嗚呼　あなたはもう留まることはないのですね
それなら私はその魂を世の夜半に打ち立てて
引...

綯い交ぜの風と雨が
吹き付ける生きる全てへ
愛謡う人の闇が
奪ってゆく生きる術まで
いつか　いつか　空が晴れて
深い闇を　照らし抜くまで
ただ広がる迷いの森
彼方から歌が誘う
踏み分ける迷いの森の奥
聞こえてるよ　今は...

掴まえたいんだ　自由を手に入れた自分を
迷いたくないんだ　路はいつでも手招いてる
走り出したいんだ　何もかも振り払い自由に
辿り着きたいんだ　そこが幸せと分かるから
何のために学ぶの　君は聞いた
自由になりたいからさ　僕は言った
そんなもの何処にあるの　君は泣いた
広がる闇の向こうさ　僕は知ってる
...

踏み出した　一歩先は　暗闇
君と僕を　明日へと　誘う
振り返る　肩越しには　荒波
通り過ぎた　昨日へと　手招く
進むか　戻るか　選べる手がある
走るか　座るか　決断が迫る
信号は青だ　見えるだろ？
たった今　赤から　変わったばかりさ
邪魔者もいない　わかるだろ？
もうずっと　前から　この道には君だけ...

荒ぶ風の中を　歩き　山祇の唄を聞く
冷たくも　ぬくもりを　孕む裾の風
寄せる波の狭間　縫って　海神の唄を聞く
雄々しくも　安らぎを　描く白の波
若く幼い心は　果てない旅路へ
答え待つ朝日の中で　じっと目を凝らした
僕らはきっと　逆らえない　瞬間の中を　生きている
白亜の郷に　望郷募らせ　朔夜の路たど...

ベルベット　すべらかなあなたは　疵（きず）残すこと許さずに
柔らかな両手のひらで　僕を隔絶する
冷え切った部屋　光るディスプレイ　机に伏す　あなたが見える
鳴り止まない　Telephon coll and bell　指先を液晶が遮った
震えだす肩　白む口唇　偲んで泣く　Mid Night Tale
...